ひなたぼっこの約束
今年も3分の1が終わった。世間を賑わす不安なニュース。大して良くない、いやいつもよりも退屈な休日。窓に腰かけあなたを想う。あなたは何をしてるかな?きっと外が好きなあなたは私よりも外に出たいよね。
突然なる着信。画面に出たあなたの名前。
「今何してる?」
電話なんて珍しい。私がしたいって言うと「電話は苦手だから」があなたの口癖だったね。
電話だと話し下手なんだなぁ。でも私の心は満たされていた。少し必死になってるあなた、かわいく思えたんだ。外ではあんなにリードしてくれるのに、自信なさげに話すのが、それでも話したいと思ってくれてるのが嬉しいと思ったよ。
テレビの話、音楽の話、いつもしてるはずなのに新鮮だったよね。
「急に電話なんて珍しいね」
そう聞くと「今会えないからね」と寂しそうな声。
私も同じだよ。会いたい。
「ねぇ窓の方に行ってみて」
そうあなたに言うと「どうしたの?」と言いつつ移動してくれる。
「太陽がね、すごい出てるんだ」
「ほんとだ」
「暖かいね」
場所は違うけど繋がっている。今は電話越し。窓越しに同じ空、太陽、ぬくもりを感じている。
「落ち着いたらピクニック行こうね」
珍しく私から外の事を誘った。今度は2人手を繋いで、一緒にひなたぼっこ。
外に出れなくてわかったことがあるんだ。あなたが私を本当に好きなんだって事。私が本当にあなたを想っている事。私もあなたといる外が好きなこと。
いつか一緒にひなたぼっこ。
なんでもないひなたぼっこの約束。
読んでくださってありがとうございました。
趣味書きですし小説という程のものでもないです。
自粛生活がんばりましょう。