俺、魔法使いになる!?
疲れました。ハーレム苦手やねん。
☆ここがまほうし部っ!
登場人物
高橋 紫音
高校1年。黒髪の冴えない男の子。少し中二病気味。
佐藤 梨夢
高校1年。ピンクのセミロングのロリ。ぶりっこ。
鈴木 陽毬
高校1年。黄緑のお団子ヘアの女の子。しっかり者。
山田 絵流
高校1年。青ロングヘアの女の子。ツンデレ。
田中 静季
高校1年。紫のおさげの女の子。無口。
山本 炉実
高校2年。クリーム色のショートヘア。ドジ。
原田 野兎
高校3年。茶色のベリーショートの
女の子。
間宮 泉梨
顧問。オレンジの髪を束ねた女性。巨乳。
☆☆☆
「しーぃ君」
クラスメート、梨夢が後ろからついて来た。俺は彼女を無視し目的の場所へ急いだ。
「こらぁ、梨夢を無視するなんてひどいぞぉ!って!それ、なぁに」
梨夢は140センチもない身長で一生懸命に俺の持っていたメモを取ろうと飛び跳ねた。メモには魔奉仕部の部室の地図が書いてあった。魔奉仕部のある部室棟は校舎から離れているようだ。
「あ!梨夢も持ってる。しぃ君もまほうし部行くんだね」
「え?」
梨夢はポケットからしわくちゃのメモを取り出した。
「たぶん、あっち」
彼女は森の方角を指差した。
「いや、違うだろ」
梨夢は頬を膨らませた。
「いいの!梨夢は合ってるの!!」
「一人で行けよ?」
梨夢は目を潤ませ、上目遣いでこちらを見た。
「しぃ君、一人怖いよぉ……」
「うっわ……」
仕方ない……二人で森を抜けることにした。
☆☆☆
「うさぎさんいたよ、しぃ君」
梨夢が俺の制服の裾を掴み、嬉しそうに言った。学園内とはいえ、本格的な森だ。迷ったらここで一晩過ごすのだろう。よりによってこいつと?いや、絶対そんなの嫌だ。そんな思いを巡らせていると、梨夢が裾を強く引っ張った。
「しぃ君、あれじゃない?」
「ん?古い建物」
古い建物が木々の隙間から見え始めていた。
「やったぁ!いこ、しぃ君」
「あぁ!引っ張るな」
俺と梨夢は森を抜けた。
☆☆☆
建物は木造建築であり、だいぶ年季が入っているようだ。今にも屋根が剥がれ落ちそうになっていた。
「お化け屋敷だぁ!」
梨夢は意味もなく俺に抱きついた。身長に釣り合わないデカい胸が俺にひっついた。
「止めろよ!」
「だって~お化け屋敷怖いもん」
そんな茶番を見ている者がいた。
「なーにイチャイチャしてんの」
建物の窓からショートヘアの少女が顔を出した。
「うわっ」
驚いた梨夢は俺から離れそちらを見た。
「お化けだぁ」
少女はさも奇妙な物を見たかのような顔で、冷静に答えた。
「な訳ないでしょ。魔奉仕部に入りたいの?君たち」
「うん!梨夢、魔法使いになるの」
「こら、梨夢。たぶん先輩だぞ……はい、入部希望の高橋紫音と佐藤梨夢です」
先輩?はフッと笑い、俺らを内部に入るよう促した。
☆☆☆
歩けば歩くほど建物の床はギシギシと鳴り、その度に梨夢が小さく叫んだ。しかもカビのような独特の臭いが鼻をついた。
「ごめんね、古くて」
「大丈夫ですよ。こら梨夢」
「臭いー」
全く、こいつには遠慮というものがないのか、と俺は思った。
「先客がいるんだ」
先輩は言う。俺ら以外に物好きがいるなんて、と俺は思った。
「どうぞ」
先輩が開けた部屋には、3人の少女が座っていた。
ロングヘアーの少女、お下げ髪の少女、お団子ヘアーの少女だ。
「ふえぇん、梨夢人見知りだから怖いぃ」
梨夢がわざとらしく俺にしがみついた。
「うっざ。何この子」
ロングヘアーが言った。
「駄目だよ、ぶりっ子さんは自尊心が傷つけられるのを嫌うのよ」
お団子がひそひそと言った。
お下げは何も言わず、読書に夢中だ。やけに汚い本を読んでいた。
「あまり歓迎されてないみたいだぞ」
「みんな、正直じゃないのっ!嫌いっ」
「はいはい。仲間割れはそこまで。先生来たから自己紹介しようか」
先輩が言った。階段から大きな足音を鳴らし、先生が入ってきた。
「ぬおぉ…爆乳だとぉ」
先生と呼ばれる人物は着物を激しく着崩した女性だった。スリムな体型に合わない巨大な胸だった。
「スイカ?」
「梨夢よりおっきい」
「この人が泉李先生。うちの顧問。」
っていうか、何でこんな風紀を乱すような格好……。
「あ、これは変身した姿でな。私もはじめは恥ずかしかったが……」
本当に変身できるのだろうか、と俺は思った。
「よし、自己紹介だ。僕は原田野兎。もう一人は後で来るみたいよ」
先輩が言った。
「俺は高橋紫音です!」
「誰よりかわいい佐藤梨夢!」
部屋中が静寂に包まれた。
「私は山田絵流です」
「鈴木陽毬だよー」
「田中静季」
「自己紹介も終わったことだし、変身コンパクトを配るぞ」
泉李先生が言った。変身コンパクト……。
「わーい!梨夢一番!」
そこで、俺は目が覚めた。
ここは自分の部屋。どうやら夢だったようだ。
おしまい
疲れました。