たわしのワタシ。
お風呂場で一度も使われず
まるで新品同様に飾られている
それがたわしのワタシ。
キッチンの隅っこで
もはや使い物にもならないのに
棄てられることなくひっそりと佇む
それがたわしのワタシ。
見事な見映えの家庭菜園
新しい入居者に出番を奪われた
最先端に遅れをとる
それがたわしのワタシ。
なぜか商品として看板に挙がる
残念賞扱いなのに%の殆どを占めている
ダーツが憎い
それがたわしのワタシ。
今や誰にも忘れ去られようとしている
時計の針がひとつふたつと進む度に
ほくそえむ彼
ヤツには負けたくはなかったのだが株を奪われた
激落ちクンを睨み付ける
それがたわしのワタシ。
今もなお未開封
棚の殆どを占拠している
時おりやってくるゴキブリが話し相手
それがワタシのたわし。