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あ
あの時と同じだ……。
「久しぶり」
声。
「もう終わりが近いよ。ずいぶんと会ってくれなかったじゃないか」
当たり前だろ。お前と会ったって何にも生産的なものは産まれないんだよ。
枯れる寸前のすすきのように笑うそいつ。
「くすくす。では何故今僕たちは会っているんだい? 僕にはねぇ……君が会いたいと望まなければ決して会えないんだよ」
「るせぇよ────」
声にならない叫びを上げたいが鬱屈とした感情は俺の肉体や脳や心の中で解放されずに沈殿している。
「──かわいそうにね」
くすくす笑い。
「──悔しいかい?」
そいつはまるで心を見通しているかのように戯れる。
「──ねぇ? 言ってよ。いつものように」
ぬるり、と体に絡みつく。男でもなく女でもないこいつ。愛してもなく憎んでもいない。
あるいは、愛してもいるし、憎んでもいるのだろう。
「──悔しい」
そうだよね。というようにそいつは首に腕を回して目を狂気に濁らせて表情を笑みに形作る。
「俺は……悔しい」
そうそう。
「勝ちたい」
そうそう。
「負けたくない」