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外の探索

その日は二人とも疲れきり、それでも起きて夜8時(おそらく外では朝8時)に寝て、目覚めると朝10時。

睡眠魔法で二度寝をし、二人は夜5時に行動開始。

「ガイアちゃん、多分あの邪悪、神聖魔法が効くと思う」

章輔は目の隅に現れていたシステムメッセージを思い出す。

「じゃあその武器を多めに……お兄ちゃん、異世界で見た武器とか……本当にないの?」

ガイアからの視線に、章輔は目をそらしかける。ガイアはため息をついた後、はっと自分の行動に気が付いて「いや違うのお兄ちゃん、異世界の武器ってどんなのかなーって!」と言い訳をする。

章輔は自分の無力さに肩を落としていた。

結局ガイアは章輔が武器を思い出してくれないとどうしようもないので、記憶魔法で強制的に記憶を思い出させる。

その結果、章輔が昔見た警察官のもっていた銃に博物館でみた日本刀を装備することになった。

「うーん、属性付属合成記憶召喚魔法って名前じゃ長いから別の名前を付けようかな……」

「ん、魔法に別の名前つけられるの?」

「うん。合成記憶召喚魔法を食事するとき使うから食事魔法って名前つけてるの。何かいい名前ないかな?」

「武器召喚でいいんじゃないか?」

章輔はこれからの方針を考えながら適当に答える。

「かっこいいの!」

「……ホーリーウェッポン」

「うーん、じゃあそれで!」

聖なる武器。直訳である。

「じゃあ行くよー武器召喚(ホーリーウェッポン)!」

ガイアは手を空にかざして宣言した。

――ガイアは属性付属合成記憶召喚魔法を使った!

――祝福されし銃が召喚された!

――祝福されし刀が召喚された!

「銃の方には神聖属性貫通分散射撃を、刀の方には神聖属性高速切断攻撃をつけてるけど……銃の奴、弓専用の技なんだけど大丈夫かな?」

「まあ、大丈夫だろ……あ、刀が片手でもてる」

章輔の世界の常識から考えると、この大きさの刀等絶対に持てるわけがない……

「というか武器が自由に使えると言うだけでも貴重な体験とだなあ……」

すげえ、さすが異世界!ビバ異世界!ああ、良かったよ俺は異世界に来れて……章輔はそう心の中ではしゃぐ。

「えーっと、ちょっと召喚していい?属性付けなくていいけど」

「食事魔法になっちゃうけどいいの?」

「……まあいいよ」

――英和魔道書が召喚された!

「魔道書になってる……まあ中身は普通に英和辞典だからいっか魔道書になるんだったら属性付けておけばよかったな……」

「魔道書って魔力補助のためのものなんだけど……私必要ないんだけど……」

「……その内精霊でも出て来るさ」

章輔は魔道書をペラペラとめくる。

「ふーん、分散ってbreakupっていうんだ。ブレイクアップでいいや。切断は……cuttingじゃださいな。amputate……アンピテイトかな……」

満足してぱたんと魔道書を閉じる。

「すげえな魔法……俺にも魔法が?」

「あの……お兄ちゃんは、魔力ないみたいなんだけど……」

「……ええ!?」

章輔の中にあった異世界に来たと言う喜びが消えうせた。

「魔力がない……魔法が使え……ない?」

章輔は大きく口を開け、魔道書を床に落とした。

「武器自体に魔力を入れてるから武器に付属してる魔法は使えるけど……お兄ちゃん自体、は……」

章輔は大きく膝から崩れ落ちた。

「異世界に召喚されたのにチート能力つかなかったよ……本当に何もできないんですか、俺には……」

両手で頭を抱え、肘を床に付けた。

その頭をガイアがよしよしとなでる。

「ちなみに、ガイアちゃんの魔力は?さっきから色々な魔法使いまくってるけど……」

「……だいたい通常の人が中級魔法……火炎魔法を満タンの状態で3回使えるとすると……えっと私は……10000回くらい?」

「……ひえっ」

「ついでに魔力が一秒間に普通の人の最大量くらい回復するよ」

「何……だと……」

章輔は小さな声で呟く。

「欲しかったなあ……そのチート能力……」

額を床に何回も撃ちつける。しばらくして立ち上がりガイアに向かって無理やり笑う。

「そうだな! 話を続けよう! じゃあ、防具はどうするか!?」

章輔はヤケクソ気味に叫ぶ。少女に負けたと言う劣等感がそこにはあった。

「ど、どんまい。それじゃあ鎧とか……ないよね」

「動きにくくないか……?」

ジャージでいいんじゃないか?と章輔が提案し召喚する。

――祝福されしジャージが召喚された!

「相変わらずださいジャージだなあ……学校指定のものだからしょうがないか」

「私のはどうしたらいいかな? お兄ちゃん、かわいいのが良いなあ……」

「スカートがいいかズボンが良いかとかあるし……どうする?」

防具とか合ってないも同然だった世界にいた章輔はこちらでもなやむ。

ガイアは期待を込めた目で言う。

「お兄ちゃんが私に着せたい服で!」

「だから動きにくいって変なの選んだら……そもそも防具ってあんまりいらないと思います」

「防具があまりいらないって言うのは同意だけど……防具属性があれば重さだけで動きやすさが判断されるから、確かに鎧じゃ動きにくいけど、そっちの世界みたいに布だけの服なら対して変わらないと思うよ?」

「さすがゲーム仕様の異世界ェ……」

章輔は適当な洋服を想起する。

えっと、じゃあなににしようかな。……メイド服?さすがにない、それはない。人間的な尊厳的に言ってない。俺は断じてロリコンとかでは……したがってロリータ服もない。

そういう考えを回した後、ようやく章輔の中で折り合いがつく。

「じゃあ、制服で……」

――祝福されしセーラー服が召喚された!

「かわいい!」

「かわいい」

章輔は我ながらのセンスに感動していた。

「これが軍人用の服だって信じられないな……」

まあ軽いし動きやすいだろう。と判断して納得する章輔。

その後、動きやすいように運動靴を召喚する。

「……異世界としては違和感ありまくりな格好だな」

その時、ガイアが何かに気付く。

「あ、テレポート使えるみたい!」

「え、まじで?」

「探索魔法!」

――ガイアは探索魔法を使った!

「うん、結界解除されてる!」

章輔は唖然とする。あの扉を開くと解除されたと言う事は……やはり義父さんは最初からガイアちゃんを外に出す気はあったと言うわけだったのか……

果たして、答えは成長することだったのか、異世界から召喚することだったのか、それとも普通に解くことだったのか。

その疑問は今の章輔とガイアにはもうわからないことだった。

「お父さんの手のひらの上で踊ってるなあ……俺ら」

「どうしたの?お兄ちゃん」

「いや、なんでもない……とにかくさっさと探索しに行こう。外がどんな状況になってるか調べなきゃならん」

「なにもせずここでじっとしてるわけにもいかないしね! じゃあいこうか! テレポート!」

――ガイアは跳躍魔法を使った!

今ならブックマーク数1の輝きがわかる

もっと進む予定でしたが……次回新キャラ登場、かも

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