命竜
最終話!?です!どうかよろしく!
8 命竜
ピリピリとした空気が流れる。
北条、あいつは戦えるのか・・・・
だがあのドラゴンクロウの結晶の玉を体に埋め込んでいる。
だが、俺にはエリスの声とオルゴールがある。
あいつあその鍵があるのか・・・・・
試してみるか。
「白龍!」
全力で北条に向かって突進する。拳を突き出し北条の顔面めがけて飛ばす。
エリスも援護の構えで、銃を北条に向ける。
だが!
ガァン!
「・・・・っ・・・!」
「ハハハ!いい拳だ」
俺の拳と北条の拳がぶつかり合う。
「「!?」」
俺とエリスは驚愕の表情をする。
北条の腕からは黒いうずが渦巻いている。
「黒・・・・・竜・・・・」
エリスがつぶやく。
思わず銃も下げてしまう。
俺は白龍を継続させ、エリスの前に戻る。
なんで使えるんだ・・・・
ドラゴンクロウを!?
「すこし、頭をひねれば分かることだ」
北条は黒い渦を消し、話し出す。
「今埋め込まれているこの玉は小さい頃の君のドラゴンクロウを取り込んだものだ。
そして、その玉は人工人間X1に埋め込まれている。このムーンストーンという結晶
はそのものの、染色体や分子、体の中野成分を取り込むことによって結晶化するのだ。
そして今埋め込んでいるのは君のドラゴンクロウの力と・・・・X1の力だ」
!?
そういうことか。
体の・・・つまり力を吸収する玉。
X1は自分の声、鼓動でドラゴンクロウを使えるよう開発された、人間だ。
そのX1の力も手に入れたちうことは、北条も・・・・
北条自身も、自由にドラゴンクロウが使えるということか。
だが人口人間になく俺にある力をこいつは手に入れた。
こいつには『命』があるんだ!
そして、こいつはさっきの神竜の状態の白龍を受けた。
同等の力を使えるということは、4つ目の力、神龍までもを使える。
「X1と同じと見るなよ、私ははるかに強い」
「・・・っ・・・!」
俺はここに今恐怖を覚えた。
あの目は本気だ。
本気でこの世界を壊してでも自分の娘を生き返らせようとしている。
数日間位の時ならまだ、世界は壊れないだろう。
だが、何年も前に死んだ娘を・・・・
そんなことをしたら世界が壊れる。
時空に飲み込まれるってことだ。
時空の原理はもう解決されている、2年前に。
つまり時空が歪むことによって世界に亀裂が走る。
昔まではそんなの漫画の中だけだと思っていたが、今は違う。
俺はその恐怖と、前に自分と同等、もしくは上の力を持つ存在に恐怖し、一歩、二
歩と退く。
だが、それを吹き飛ばすように。
「ハァァァ!」
ズドドドドドドドドン。
ものすごい銃声が鳴り響く。
両銃で、約15発入るマガジンが全て尽きた。
30発の縦断が北条に放たれた。
俺が退いたことによってエリスが少し前に出ている形になっている。
今の銃撃は間違いなくエリス。
目の前で見た彼女は、
「イッキ!しっかりして!こんなところで私たちは死なない!帰ったら二人ともいう
ことがあるんでしょ!?」
俺はふと我に帰る。
そうだ・・・・そうだ!
「あぁ、悪い・・・もう逃げない」
「・・・うん・・・私もいるよ」
ギュッと俺の手を握る。その手は暖かくて俺の恐怖すらとかしてくれる。
銃撃で方丈を囲むほどの煙は出ない。
だが北条は煙で囲まれている。
そう、赤龍で銃弾を燃やしたのだ。
うっすら見える影から声が聞こえる。
「愛をする・・・・そう人間は愛するから辛いのだ、君たちにも味あわせてあげよう。
愛を壊されることを!」
ものすごい突進。
あの速さは白龍!
「白龍!」
俺も咄嗟に白龍をだし、エリスを抱えて飛ぶ。
そのスピードに北条はついてくる。
「ハハハ!逃げないんじゃないのかい!?黒龍!」
何!?
白龍と黒龍を同時に!?神竜も発動しているはずだ。
くそ!!
俺はエリスを前に抱え込み、防御の体制に入る。
「赤龍!」
赤龍で、炎の楯を作ったが黒龍のうずは燃やせきれなかった。
その炎を貫通牛出てきた黒うずが俺の背中を直撃する。
「・・がっ・・・!」
口から大量の血液が漏れる。
「イ、イッキ!」
さっきの、黒龍で抱きかかえたはずのエリスを話してしまい、エリスも吹き飛ばさ
てしまった。幸か不幸か、重傷はおっていない。
「エリス・・・・」
俺はエリスに手を伸ばす。
その横は白い光が通りすぎる、
その光は数メートル離れたエリスの前で光を失う。
北条はえ汁の前に仁王立ちし、見下す。
「・・くっ・・・・」
エリスはなんとか動こうとするが体がいうことを聞かないのだ・・
「や、やめろ・・・」
俺はなんとか体を動かそうとするが、少しづつしか動かない。
「エリスに手を出してみろ・・・絶対殺すぞ・・・・」
北条はくるりと俺の方に向く。
そして不快な笑を浮かべる。
「いっただろう、愛が壊れる瞬間を味あわせると」
「なんでエリス・・・・なんだ・・・・」
今の言葉だけで北条は俺の、なぜ俺ではなくエリスを先に殺す・・・と言う意味を
理解した。
「イッキ君、君は私の娘の命だからだよ」
娘とはエリスではなく、死んだ娘。
くそっ!
動け!
動けよ!
動けぇぇぇぇぇぇぇ!
同力を入れてもカラダは数センチしか動かない。
北条はエリスの方に向き直る。
そしてエリスの銃を拾い上げる。
「わが娘よ・・・私は君に死なれることが、とても悲しい」
そう言いながら北条は笑っている。
「たとえ偽りの・・本当の娘でなくても愛していたぞ」
そんなこを¥とは微塵も思っていないことは後ろ姿からだけでもわかる。
「エリ・・・・ス・・逃げろ・・」
小さな声で聞こえるか聞こえないか。
だが、そこでエリスは強気な目をして方丈を睨む。
「あなたは間違っている!本当にこんなことをして娘さんが・・・・エリちゃんが喜
ぶと思っているの!?」
エリちゃんとは術の娘だろう。エリスはその名前から取られたのだろう。
「娘の名前を気安く呼ぶなぁ!」
さっきまでの態度とは違いものすごいさっきを放つ。
くそ、動いてくれ!このままじゃエリスが本当に!
「エリス!貴様はまたあの妻と、レインと同じことをいうのかぁ!」
「そうよ!少なくともこんなヲタ誌でもお母様は愛してくれた!最後の最後まで!」
「このぉ!」
ガンッ!
エリスの頭を思い切りける。
そして、踏みつけた。
「貴様ァァァァァァァ!」
「動けないガキはそこで見ているんだ、愛が壊れ引き裂かれ、そして、死ぬ瞬間を!」
ものすごい怒りが俺の胸を熱くさせる。
思い切り力を入れる。
普通は動かない筋肉を動かし、筋肉や筋がちぎれる音が頭に響く。
・・・構うものか!
たとえ頭一つになろうと俺はあいつを・・エリスを!
「さぁ、エリス、お別れの時間だ」
ガチャ。
銃のトリガーに指を添える。
そして、狙いはエリスの心臓。
「さぁ、味うがいい、私と同じ苦しみを・・」
待て、待ってくれ!
「・・・やめろ・・・・」
声すらまともに出ない。
たのむ。
動いてくれ、俺の体!
こんな時に動かないで何のために生まれてきた体だ!
俺の光を・・・
エリスは強気な目で北条を見る。
決して目ははなさない。
「さようなら・・・エリス」
トリガーの指が動く。
やめてくれ・・・・
やっと見つけた俺の・・・・
俺の・・・・光を・・・・・・・
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」
俺は喉を引き裂きながら咆哮し、筋肉を全て引きちぎりながらも、白龍を使う!
たとえ死んでも、ここで死んでも、世界が壊れても・・・・・・・・・・
守る・・・・お前だけは・・・・・エリス!
白龍で北条めがけて突進。
そこで、エリスがずっと方丈を見ていた目を俺に向けた。
その目はまるで・・・・
もう・・・・・・・・・・・・・
そして、口が動く。
・・・・・・・・・・・・・『ありがとう』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドンッ!
ガァン!!
銃声とともに北条が壁まで吹き飛ぶ。
短い悲鳴を上げ、壁にぶつかる。
俺は北条を突き飛ばした場所で止まる。
エリスの場所で・・・・
「エリス!」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
イッキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
口がかすかに動く。
そして、俺はその喜びとともに絶望を迎える。
大量な血がエリスの心臓から吹き出している。
「な・・・・んで・・・・・・・」
俺はその場に膝まづく。
崩れ落ちた俺のカラダからも大量な血が溢れ出る。
無理に筋肉を動かした代償か。
「本当は・・・・終わってから言うつもりだったけど・・・」
エリスの弱々しい声が俺の耳に入る。
「エリス・・・・・」
「もう、私・・・・・ダメだから・・・・今言う・・・・」
「な、何言ってんだよ・・・・」
「好きよ・・・・大好き・・・・・」
そして、俺の首に腕を回し唇を重ねる。その時、俺の心臓が大きくうなった。
胸が暑い。そして、エリスに何かを送り込んだ気がした。命の息吹を・・・・
震える唇。
冷たい手。
・・・エリス・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、雪のように冷たい手は溶けるように俺の首から離れ、小さな唇は俺の口か
離れる・・・・・・
「エリス?エリス・・・・待てよ・・・・まだ俺は何も言ってないぞ・・・・・・・
なぁ?・・・おい!・・・・・おい!」
返事は帰ってこない。俺の暑い胸がとかしてしまったのか・・・・
何を・・・・・
「俺はまだ、伝えて・・・・・・」
エリスはもう動かない。こんなに密着しているのに、吐息すら、心臓の音すら聞こ
えない。
一番恐れていた恐怖。北条が笑っている。その声すら聞こえない。
なぜ、彼女をここに残したのか・・・・・
なぜ、俺が生きているのか・・・・・・・・・・
エリスが死んだのになぜ俺だけが・・・・・・・・
エリスがいない世界では生きているいみはない・・・・・・
もう・・・・・・いいか・・・・・・
俺はやった・・・・精一杯・・・・・・・・・
もう、生きている意味を失った・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の生きる光・・・・・何もかもを失った・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふらりと俺は立ち上がる。
北条がそれを見て、笑いを止める。
「ほう、まだ動けるか」
もう神経すら歩かないかわからない。
頭から何もかもが抜ける。
エリスをそっと地面に横にする。
「次はお前の中に眠る命竜を吸収する、その命はエリのものになる、お前は死ぬんだ
エリスと同じ場所に行けるんだぞ」
エリスと・・・・・・・同じ場所・・・・・・・・・・・・・・・
「同じ・・・・・・・」
「そうだ、だから私のために死んでくれ、そして、私の力にするのだ」
北条は俺の命が欲しいのか、俺の命を結晶で吸収する手段を持っているのだろう、
そして北条自身の命を使わずに名流を使える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダメだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あいつにも・・・・
あいつにも今の俺と同じ失望を与えてやる・・・・・・・・・
例え・・・・刺し違えても・・・・・・・・・・・・
「死ねぇぇぇぇぇ!神龍!」
普通は取り込んだら出てこない神龍の結晶が北条の腕を覆う。
そして、
ザシュっ!
血が吹き出る。
俺の心臓部。
北条の結晶が突き刺さっている。
「これで終わりだ・・・エリ・・・・・」
ガシっ。
「!?」
・・・・・・・・例え刺し違えても・・・・・殺す!
「く、くそ、早くくたばれ!」
俺の心臓にもっと食い込ませるように前に出てくる。
痛みは・・・・・・感じない・・・・・・・・・
「早く死ぬんだ!どうせ死ぬんだ!早く死んで、楽になれ!」
そう、簡単に死ぬか・・・・・・・・・・・・・
お前にも味あわせるんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺と同じ・・・・・・・・・・・・・
怒りが湧き上がる。
心の中にはこいつを殺すことのみ。
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺
す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。
『殺す!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・イッキ・・・・・・・・・・・・・
胸の中に響く。
この声。俺のすべての鍵。俺の力のための声。俺の・・・・・大切な声。
「エリス・・・・・・・・・」
心の中の声が響く。
『イッキ・・・・死んじゃダメ・・・・私は、イッキに死んで欲しくない』
「でも、お前がいない世界なんて・・・・」
『あなたはなんのためにここに来たの?何をしに来たの・・・・』
「俺は・・・・・・・・・・・・」
『思い出して・・・・あなたの・・・・夢・・・・・お父さんの夢を・・・・』
「俺は・・・・・・」
『うん』
・・・・・・馬鹿だな・・・・
・・・・・・・・・・・バカ野郎!
何をしているんだ俺は!
大馬鹿野郎だ。
「俺は世界を変えてやる!そのためにここに来た」
「そう、そうだよ、イッキ・・・・負けないで」
「ああ、絶対に負けない・・・・・・・」
「うん」
エリスの声が笑っている。それだけで・・・・
「エリス、ありがとう・・・・俺も好きだ」
やっと言えた。
やっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「イッキ、世界を・・・・変えて」
その笑顔を俺は忘れない。
命の竜が、もたらしてくれる奇跡。
俺は・・・・・・・・・・
負けられないんだ・・・・・・・・・
「俺が世界を変えてやるんだ!」
腕にもっと力を込める。
「何っ!?」
北条もこの力に驚く。
神龍を使っている腕が動かない。
死ななくては吸収できない。
その焦りのせいか、腕を一回ひく。
そして、もう一度突き刺そうとする。
「白龍!」
俺は上に飛び避ける。
北条の突きがコンマ1秒でくりされた。
「くそぉ!」
北条も白龍で俺を追おうと飛ぶ。
だが、北条の目にもう俺の姿は無かった。
そしてしたから声がする。
「お前は、本当にこれで生き返らせていいいと思っているのか!」
「!?」
したから漆黒の渦が突き上げられる。
「ガァァァァァァァァァァァ!」
北条がそのうずに巻き込まれる。
「このぉ!」
ブンっ!
白龍でなんとか出るが、
「お前の娘・・・・エリは・・・・・・本当に望んでいるのかぁぁ!」
白龍で抜けた瞬間俺は懇親の一撃を黒龍の拳で北条の顔面にブチ込む。
空中で吹き飛ばされたがなんとか踏ん張る北条。
「そんなので喜ぶと思っているのか!幸せか!」
「黙れぇぇぇ!」
北条は俺に向かって一直線の赤竜を放つ。
「赤龍!」
俺は北条の何倍もの赤竜をぶつける。
「仮に生き返ったとしても、心の底から喜べるのか!」
俺の命がどんどん削られている、地がどんどん出てくる。
なのに、命の削られる感じがしない。
「うぁああああああああああああああああああああ」
赤龍の炎で北条が落下する。
その真下に俺はすぐさまいく。
距離15m。
「お前が、幸せになるのかぁ!」
俺は拳を構える。
そして、落ちる北条も最後の力といってもいい。
その力を振り絞ろ拳を構える。
そして、
「「神龍!」」
ドォォォォォォォォォン!!
龍の一撃がぶつかり合う。
「・・・・っ・・・!」
「そんなんで・・・・・お前ら親子は・・・・本当の親子と・・・呼べるのか」
拳を交わせながら言う。
「・・・っ・・・・・」
「過去にとらわれず・・・・目の前にあるものを見ろよ!」
瞬間、北条はエリスを見る。
今目の前にいる娘。
自分の娘。
『お父さん』
俺には聞こえない、北条の心の中。
ドラゴンクロウの力なのか、それとも、『愛』の力なのか。
「・・・エリ・・・・・」
『お父さん、ありがとう、私のために・・・・でもね、やっぱりダメだよ、
こんなことしちゃ』
「な、何を言っているんだ、もうすぐで会えるんだぞ!」
『お父さん・・・・・ごめんね』
「エリ・・・・・・」
『私ね、すごく楽しかった、短かったけど、お父さんと入れて、とっても』
まんべんの笑顔を見せる
「エリ・・・・エリ・・・」
『お父さん・・・・ありがとう・・・』
その言葉とともに北条の目の色が変わった・・・そんな気がしたんだ。
「私は・・・・・・」
上にあるムーンストーンに突き上げるようにパンチに力を込める。
「私は・・・・・・・・・間違っていたんだな」
「うおぉォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
ズドン!
そうか・・・・・・・・・・・・・私は間違っていたんだ。
この少年に・・・感謝しなくては・・・・・エリス・・ありがとう・・・ドクンっ!
・・・・すまなかった・・・・・・・・
せめてもの罪滅ぼしにはならんが受け取ってくれ。
ムーンストーンにヒビが入る。
そして、ムーンストーンが・・・
バリィィィン!
甲高い音を上げて砕け散る、
俺はその場に倒れる。
北条は・・・・・・・
俺の横で横たわっている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
終わったんだ。
やっと・・・・・・・・・・・・・
そのすぐ横には・・・・・
「エリス・・・・・・終わったよ・・・・やっと終わったんだ」
俺はそっと手を伸ばす。
「生きてぇな、もっと生きてたいなぁ、お前と一緒に・・・・・」
そして、エリスの手に触れる。
「もう、聞けないのか、お前の声・・・・・・」
そして、エリスの指に手を絡める。
「俺も・・・・今行くから・・・・そしてら・・・・また・・・・一緒に」
エリスの手がわずか、暖かい。
そんな気さえもした。
キラキラと光るムーンストーンが降り注ぐ。
天使の迎えが来るのか。おとぎ話のような風景。
何かが近づいている・・・・・みんなが・・・異界師のみんなが戻ってきたのか・・・
ハハ・・・・・本当にお人好しだ。
もう、耳に言葉は入ってこないが、確かに聞こえた。仲間の声が。
瞳が勝手に閉じていく。
仲間の足音が近づいているはずなのに遠ざかる感じ。
「エリス・・・・・好きだ・・・・大好きだった・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
終わったよ・・・・・・父さん・・・・・・・・世界を・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――変えたんだ―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――End―――
実は最後にエピローグが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・