強者
ついにクライマックス!どうか最後までお付き合いを!
7 強者
「20体程度で俺を止めれると思っているのか?」
プシュゥ!
溶液がライズめがけて飛んでくる。
だがライズは一歩も引かずに冷静にそれを見ると、
スッ
ジュゥゥゥ。
「俺には効かん!」
ビュンッ!
ライズがロボットめがけて飛ぶ。
「ハッ!」
ギュゥン!
ドカァン!
一瞬であのロボットをきった。
だが、このロボットはただでは倒れない。
やられると自爆する仕組みになっている。
「小賢しいな、だが、俺には効かない」
「カッカッカッ!」
「!?」
ロボットの大群の後ろから声が聞こえる。
こつこうと音をたてライズの目にうつるところまで来た。
「誰だ!?」
「カッカ、威勢のいいガキじゃ」
「誰だと言っている」
ライズはライトニングビーツを自分の前に持っていき、声の主を睨む。
「ワシか?ワシは皆には博士と呼ばれている」
「何が言いたい?」
見た感じが老人のその男はハァとため息を吐く。
「まだ、わからんか、博士じゃぞ?このロボットを作った博士じゃ」
「!お前がか!ジルクを作り、ムーンストーンの力を科学に利用したのはお前か!」
「いかにも、超電磁砲やその他ジルク、カッカ零式もじゃぞ、ガイアに盗まれたがな」
「ならここで潰しておかないといけないな」
「カッカ、そう慌てるな」
「黙れ、死ね」
ヒュン!
ライズはまゆを少し寄せ、前方に博士めがけて飛ぶ。
だが、
「がァっ!」
目の間に突然見えない何かに当たった。
アイズは後ろに吹っ飛ばされる。
「だから、いっただろう、慌てるなって」
「何!?」
ライズの目の前がいきなりぼやけだした。
自分の目がおかしいんじゃない。
目の前にあるのだ!
ジルクが!
ぼやけていたジルクが姿を現す。
「ほぉ、不思議そうな顔をしてるな、カッカ、データになかったか」
「・・・・」
「クールな奴じゃのう、このジルク、名は、『無式』姿は見えない、音も立てない、
零式を上回る強さじゃぞ」
「だから、どうした?」
「ぬっ!?」
「俺は、こんなところで足止めはくらってられない」
今は見えているジルクに飛びかかる。
件を振りかざし、空中で居合の構えを取った。
「無音強斬」
居合の構えから一瞬で、
ズバン!
「なぬ!?」
ガタン、ガシャシャシャン!
「敵が見えない敵でもどんなに強大な敵でも、仲間の死を目の前にして、負けるわ
けにはいかねぇんだよ」
「ガキが、ワシのジルクをこんなにしよって、生きて帰れると思うんじゃないぞ、
餓鬼!」
スゥー。
「!?」
今度は見えていたのかもわからない、そこにあったかもわからない。
一瞬で消えた。
(いつ消えたんだ!?)
ライズは、気づけば博士をも見失った。
『カッカッカ!』
ジルくのスピーカーから聞こえる声と同じ音質。
その声がどの角度から聞こえたかはわからない耳に入ってきた。
『この無式、科学の刀を持った人間ごときに負けるわけがない。見せてやろう、この
無式の強さ』
スッ。
周りが一瞬で静かになる。
何の気配も感じない。
ただただ、ライズひとり。
他の生き物をなにも感じない。
シュン!
「!」
ジャシュ!
「がァァァ!」
いきなりだ!
いきなり後ろから何かに切られたのだ。
なにも見えない。
「う、うっ、クソ!」
持ってかれたのは、
『これで腕一本じゃ、じゃが、よく避けたものよ、一瞬の殺気を読み取ったか、じ
ゃが次は損心臓をもらうぞ』
「クッ、うっ」
腕を二の腕から真っ二つに切られる。
中に飛び上がったライズのうではその数秒後に地面にたたき落とされる。
ギュ!
ライズは自分の服をきり応急処置の止血だけをした。
「ハハ、殺気だと?」
「ぬ?」
ライズの雰囲気、まとうさっきが変わった。
色で言えば白から黒になった感じだ。
「お前の殺気なんかな、はじめてあった、あのバカと比べりゃあ、ゴミみてぇだ」
ライズは後ろを見る。
あの奥に進んだ仲間。
その方を見る。
それから向き直った。
まだ、どこにジルクがいるかもみえない。
「ここは、通さない」
シュン!
ライズは持ち味のスピードで移動する。
とにかく闇雲に。
みえない剣を避けるためだろう。
だがそのスピードについてきたのかそれとも待ち伏せしていたのか、ただ単に見え
ない敵にライズが突っ込んでしまったのかは、わからないがそのまま見えないじる気
に突っ込んでしまったのだ。
「馬鹿なやつじゃな、動き回れば件が当たらないとでも思ったか、勝手に動いてくれ
るなら立ってるだけで勝手に間合いに入ってくるわい」
カッカと人を小馬鹿にする笑いをして、博士は刀を振り上げる。
「これでしまいじゃ!」
ライズの間合いに入り、後ろを取った。
もう刀は振り下ろされている。
そのままライズの後頭部に巨大な件が振り下ろされる。
ガキンッ!
「!?き、貴様、どうやって!?」
「無式?笑わせる、この無式には弱点がある」
「!?」
「お前のその刀は蒸し器の1部じゃない、それはただ単、普通のジルクと同じ剣だ、
そう、透明にはできない、ただmシステムで切りかかる時だけ出せば、移動中に見え
ることはないがな」
「くっ!」
ギリギリとライトニングビーツと博士の剣が火花を散らす。
ライズはその巨体に負けず、上におしあげていく。
「き、貴様・・・・」
「だが切りかかる時にはどうしても見えてしまうんだよ、その剣が、お前はそれを隠
すためにすぐに、1激キルトすぐに剣をしまう、その見えない剣の弱点は1発しか切れ
ないということだ、それと当たり前だが銃等使えない、玉が見えるからな、俺ならそ
の程度はたやすくよけられる」
「く、クソぉ」
ジリジリとライズの件が博士の剣をおす。
「お前はジルくの性能ばかりあげ、武器のことを目にも止めていなかった」
「くっ」
「それがお前の誤算だ、お前はジルクのみを鍛えた、だが俺は武器を鍛え、己自身も
鍛えた」
「な、なめるんじゃねっぇぞ、ガキがァ」
「それが俺とお前の差だ」
博士はもう、周りが見えていない。
怒りのままに剣を振り回す。
だが、見えてる剣、ライズにはカスリ傷さえ付けられない。
「お前がいなきゃ、月の石は覚醒することはなかった」
「ワシが、このワシが、死ぬものかァァァァァァァァァァ!」
「あの世でその罪を償え」
瞬間ライズのけんから大きな光が放たれる。
「最初で最後の1激、絶・無斬」
その光が刀に集まり、その刀は膨大な雷が覆う。
その刀を力のままに振り上げる。
このデカさ到底避けることもできない。
「ま、待ってくれ、分かった、す、お、お前はこの実験が成功したら、ワシの、財産
を――――」
「落ちな、地獄の・・・底に」
「や、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
キュウゥン!
ものすごい甲高い音が聞こえ一瞬で、ライズの周りにあったロボット、無式、そし
て博士が消えた。
「ハァハァ・・・くっ」
ボタボタっ。
床に字が流れる尋常な量じゃない。
「ふっ、悪いな、お前との決着は付けられそうにない」
ライズは剣を見るともう、ボロボロだ、そして、
「こんな姿にさせちまって悪いな、だが、お前は俺の相棒だった・・・ありがとう」
瞬間、刀が四散して粉々になってまだ鉄に熱を帯びている破片が宙を舞う。
ライズはそれを見ると、数歩下がり壁に背中を付けた。そして、そのまま床に崩れ
落ちる。
「ここまでか・・・・・あとは任せたぞ・・・・この世界を・・・・・・イッキ・・」
そのまま横に倒れ、その部屋はまるで誰もいないかのように静かになる。
そして、熱を帯びて光り輝いていた破片も最後のひとかけらがライズの肩に落ち、
光を失った。
命の灯火が消えたかのように・・・・・
そのすぐ近くにコツコツと近づく走る音が聞こえたのをライズは聞こえたのだろう
か・・
俺とエリスとライラは次の部屋のすぐそばまで来ていた。
そうもうムーンストーンの反応は俺の心臓を強く唸らせた。
近い証拠であろう。
「もうすぐ近くだ、あの部屋だ、あの部屋に間違いなくある!ムーンストーンが!」
俺があけ部とエリスは右拳を強く握る。
俺はそのエリスの拳を握る。エリスは俺の顔を見てきた。俺もエリスの顔を見返す。
「これで終わる、ムーンストーンを破壊し、全てを終わらせる、お前の父親・・・北
条のことも・・・」
「覚悟はできてるは、私はもうあの人を、北条をこの世から抹殺することだけしか考
いない」
その目は本物だった。その家族よりも大切なものが今すぐそばにある。そうエリス
思うと一番強くそう思うのはイッキだった。イッキ自身を失いたくない。
「イッキ、絶対死なないで、あんたが死んだら私も死ぬわよ」
俺は一瞬驚いた。その言葉で確信に変わった。エリスの気持ちは俺と同じなのだと。
「あぁ、絶対に死なない、お前を守ってみせる」
そう、誓ったんだ。
「で、私はどうなのよ?」
「う、うをぉ!」
手を伸ばして俺とエリスの手を引き剥がしたのはライラだった。
「邪魔して悪いけど、もう入るわよ、でも油断しないで、なかには人が二人いるわ、
ひとりは北条、もう一人はわからない」
「分かった、全部・・・終わらせよう」
そして、帰ってエリスとみんなと。
瞬間、破るつもりだったドアが、開いた。
誰かの手によって。考えるまでもない。あの男だ。
「北条ォォォ!」
奴は俺たちに向かって妙な笑を浮かべる。
「久しいな、ドラゴンクロウ、始ままして零式使いライラ姫、そしてわが娘エリス」
零式はおこで止まる。俺はそこから飛び降りる。エリスもそれを追ってとび降りる。
これはガイアの命令、ひとつに固まって全滅は絶対にナンセンス。とのことだ。
「今宵は世界の旅立ちだ、その余興なのだよ、君たちは、わが娘の、誕生日だ」
娘とはエリスのことじゃない。本当の娘のことだろう。
「やめろ北条!お前はどこまで卑劣なんだ、世界を巻き込む必要はないだろ!」
そう、命の復活。
もうかなり前に死んだ人間を生き返らせれば世界のバランスはどうなる。昨日今日
の人間ならそれほのの影響は与えないかもしれない。だが、何十年も前のそんな―――
「私はなぜお前たちをここまで通したと思う、ドラゴンクロウ・・・・」
俺は黙り込む。今声を出したら我慢の限界で何をするかわからないからだ。
「お前の5つ目の力、命竜の力が必要だからだ」
!
命竜。
命を蘇らせる、そう聞いた。
だから俺を・・・・
「そのためだけに仲間を全員殺したのか・・・・・・・」
「あぁ」
「なにも感じないのか・・・・」
「あぁ、なにも、私は娘さえ蘇りこの世界、娘を死に追い込んだ世界を潰せればそれ
でいい」
どこまで、どこまで、
「どこまで腐ってやがる!」
瞬間俺が法帖に突っ込む、エリスとライラは左右に別れ援護の体制を取る。
「白龍!」
超加速。
一瞬で北条の目の前までくる。
「・・・・・」
ボソっと何かが聞こえた瞬間俺の目の前にいた北条がみるみる遠くなる。
北条が動いたんじゃない。
俺が、俺が吹っ飛ばされたのだ。
ゴス!
壁まで吹っ飛ばされた俺の体が衝撃する音と共に俺は今聞こえた言葉に驚きを感じ
た。
北条の前にもうひとり立っている。
年は俺と同じくらい。髪の色は真っ白。人間と読んでいいのか、見た目は完全なる
人間、だが何かが違う。
「北条様に手を触れようとするとは、汚い手で触ったら汚れが移ってしまうだろ」
そんな言葉は耳に入らなかった。こいつのさっきの言葉が頭を埋め尽くす、こう言
ったのだ。
白龍・・・・と。
「お、お前は・・・」
「こいつは私が作った人口人間・・・ドラゴンクロウだ」
!?
ライラとエリスも驚く。
極力戦闘中は喋らない主義を持つエリスとライラだがここでは流石に口を開いた。
「あ、ありえないわ!イッキ意外にドラゴンクロウなんて!」
「そ、そうよ!それにエリスのオルゴールも声も何も聞いていないじゃない!」
そうだ、俺はずっとエリスの声とオルゴールを零式の中できき今は覚醒状態だ。
だが、この部屋に入ってからエリスは一言も喋っていないし、オルゴールすら出し
ていない。
「不思議そうな顔をしているな、教えてやろう、これぐらいは教えないとつまらない
からな」
北条が目を細め俺を見ていう。
「私が作ったのさこいつは、言ったろ人口と、ドラゴン苦労はいわば共鳴だ、共鳴
する音波さえ出せればドラゴン苦労は使える、エリスと同じ音波の声をこいつにも与
えたのだ」
音波。そういうことか。
「さらにこれだ」
人口人間の手の甲を見せた。その手の甲には赤い玉が埋め込まれている。
「このたまはドラゴン苦労の決勝とも言える、お前の体の中に入ってる決勝と同じ作
用を持つ、これを神経とつなぎ合わせ、心臓に音波を与えればドラゴン苦労の完成だ、
あいにくたまは二つしかないがな」
ふたつ!?
じゃあ、もう一つはどこに!?
それに疑問がある。
「そいつがドラゴンクロウならなぜその命龍の力で蘇らせない!」
そこが疑問だ。
ドラゴン苦労をつくりさせすればこいつは俺に接触しなくても良かったはずだ。
「命竜は君自身の力だからだよ、イッキ君」
「!?」
「ドラゴンクロウを作ったはいいがなぜか3つしか力が出ないんだ、おかしいと思っ
た私は調べた、そして私は気がついたのだ、君とこの子の違い。」
俺とこいつの違い?
「君には心があるそして命があるが、この子にはない」
何が言いたいんだ。こいつは人口人間だから命がないというのは、考えれば当たり
前のことだ。
「おしゃべりはこの辺にしよう、さぁ、やってくれ」
「はい、北条さん、ドラゴンクロウ以外は殺しても」
「構わない」
瞬間、人口人間が飛び出る。
白龍だ!
狙いはもちろん俺。
「黒龍!」
迎え撃ってやる!
だが、
「黒龍」
何つ!
やつも黒龍を使ったのだ。
ありえない!
白龍と黒龍の同時だと!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!
拳と拳がぶつかり合い、黒い渦がまく。
「く、くそっ」
「はは、早く吹っ飛びなよ」
「がぁぁぁ!」
ズドォォン!
押し負けたのは俺だ。
白龍のスピードにのせて黒龍を放った拳を黒龍だけの俺は吹き飛ばされた。
だが、ここだ!
「エリス!ライラ!」
瞬間!
エリスは銃を二兆取り出す。ライラは、ジルク専用の大型拳銃を二本か前同時に、
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
まだまだ、続く。
人工人間めがけてまだまだ打ち放つ。
そして、五分程度打ち続けその乱舞が終わる。
だが攻撃は終わらない。この五分間でかなりの力を貯めれた。
「イッキ!」
「やりなさい!」
「喰らえ!赤竜!」
大きく舞い上がった炎の龍が煙が舞い見えないがそこにいた人口人間に突っこむ。
「や、やったか?」
「赤龍」
ブォォォォォォォォォ!
人工人間の声が聞こえると空高く炎が舞い上がった。
「何っ!」
「そ、そんな!」
「私の零式でも・・」
そこからやつの影が出てくる。
「そうか、お前は知らないのか、ドラゴン苦労の4つめを」
確かに知らないまだ、覚醒していないからだ。
命竜だってそうだ。
「だから、この僕の使命はきみを五ツ目まで、覚醒させることだから、とっとと覚
醒して、じゃないと、君の可愛い彼女たちが死んじゃうよ」
「て、てめぇ!」
「おぉ、怖い、そうだ、怒りだ、この力は怒りで覚醒するんだよ、感情で一番強いも
のは怒りなんだ!」
ペースに載せられるな!俺は俺の戦いをする。
「くそが!」
「イッキ後ろ!」
何!?
「黒龍」
人口人間が黒龍を発動し俺の後ろで拳を構えた。
間に・・・あわねぇ!
ドウン!!
波動のような音のなパンチ。
見事に直撃。
だが俺にではない・・・
当たったのは・・・・
「零・・・・式・・・」
そう、零式が中断に入っている。
俺の顔を人口人間はしたから上に突き上げるような形でうっていた拳は、零式の上
半身に直撃した。
しかもコクピットのあたりだ。
「「ライラ!!」」
俺とエリスが口を揃えていう。
ギュイン。
この音はコクピットが開いた音。
天から何かが降ってくる。
「ら、ライラ!」
ライラが降ってきたのだ。
いや、振り落とされた・・・
ゴンッ!
落ちてきたカラダは床の反動でいっかい浮き、もう一度ちにはった。
俺はすぐに近寄ろうと駆け寄る。
だが。
「白龍」
「!?」
ものすごい早さでやってくるのがわかる。
くそっ。白龍!
ライラの下にすぐに近づきたいのを置いて、俺もその場をひとまず離れる。
ライラは・・・・
落ちた場所にはいない。
あたりを見渡すと。
「エリス!」
エリスがライラを運んでいる。
「ライラしっかり!」
エリスが体を揺らすが、返事はない。
・・・・・・死・・・んだのか・・・・
俺のせいで・・・・・・
俺をかばって・・・・・・
あの鬼神のごとく強いライラが・・・・・
「はっはっはっ!傑作だな!仲間を助けて、自分が死ぬとは!やはり女!イッキ君に
当たったとしても死まではいかない、が女の体、クック・・・・」
あいつは何を笑っている・・・・・
なぜ笑っている・・・・・
何がおかしい・・・・・
「・・・何がおかしいんだ・・・・・」
「こ、これが笑わずにいられるか、クック・・・君も思っただろ邪魔をするなと、君
なら今の攻撃はよけれた、頭のキレる君のことだ、次の反撃のことも考えていただろ
う、だがあの女のせいで台無しだ、ハハハ!」
この言葉で完全に頭に血が上った。
「・・・黙れ、今すぐ殺してやる」
ゾクン!
誰もが感じた悪魔のような殺気。
全員が3秒弱は静止したであろう。
あの心のない人工人間でさえ。
そのスキを俺は逃さなかった。
「白龍」
光以上の早さで走る白龍。
その一瞬かもわからぬ速さで、俺は人口人間の後ろに回る。
「黒龍」
ドウン!!
ものすごい打撃が人工人間の背に直撃し、黒い波動が背から腹を貫通雨するように
見れる。
人工人間、悲鳴も声すら出さずにその場に崩れる。
「黒龍」
俺はそこでは終わらせなかった。
今度は頭に上から瓦割りのように落とした。
頭から地面までは動画つたわり、地面が大きく波動の円を描き、割れる。
「ハァハァ・・・」
気づけば俺の息はものすごく上がっていた。
!?
「黒龍」
なに!?
ドウン!!
俺の顔面に人口人間のパンチが入る。
黒龍を2回目直撃したんだぞ!?
脳が揺れる。
俺は壁まで大きく吹っ飛ぶ。
だめだ・・・意識が・・・・・
「おい!殺すなといっただろ!!!」
ものすごい顔をして、人工人間に北条が叫ぶ。
やばい。・・・・まじで・・・・・死・・・
その時だった!
ぼすっ。
「うっ・・・」
誰かが俺を受け止めた。
エリスはあそこからここまでにこんなに早くこれるわけない。
誰だ・・・・
力をできる限りだし上を見上げる。
「ガ・・・・」
上を見ると、そこには大柄なよく見た顔がいた。
「ガイアさん!」
そう、われらが異界師トップ、ガイアだった。
「よく踏ん張った、イッキ」
「ガ、ガイアさん・・・・・・」
俺はここにリーダーという人物が来て食っれたことがすごく嬉しかったがライラの
ことを思い出す。
「で、でも、ライラが!」
「私が・・・なによ?」
後ろから声がするう。
「なっ!・お前!」
倒れながらも、俺にほほ笑みかけている人は間違いなくライラだ。
「ライラは心配ない、ジャックに任せておけ」
ライラのとなりにもジャックとその他戦場に出ていなかったっ救護班がいた。
ジャックはその部屋からライラを連れて行った。
俺に拳をむけ出て行った。
エリスもそれを見送って駆け寄ってくる。
「あんたは大丈夫なの?イッキ」
「あ、ああ、俺は致命傷はくらってない」
エリスはホッとしたような顔を見せたが赤くした顔を何かにはっと気づきすぐに戻
した。
「久しぶりだな、ガイア」
「北条・・・・」
顔見知りのふたりが妙な空浮きを出し合う。
だがそこに!
「赤龍」
なっ!
人工人間っがガイアに向かって赤竜を放った。
「赤龍!」
俺も赤竜を放ち向かいうとうと放ったが、粉砕まではできない。
確実にガイアにあたってしまう。
「よ、よけてください!」
「ガイアさん!」
「!?」
俺の叫びでは動かず、エリスも叫ぶが動かない、北条は人工人間の行動に驚いてい
る。
だが、
「そいつは・・・ドラゴンクロウか?」
!?
ガイアは何事もなかったように立っている。
炎は消えている。いや、なんだ今のは。
ガイアが拳を前につきだした瞬間、炎は燃え上がったが消えた。
風・・・・なのか?
「あれは、ガイアさんの研究で生み出したソニック・・・・」
エリスが説明を入れようとしたが名前を忘れたらしい。
取り敢えず、あそこからものすごい風を送り出し、一度燃え上がった炎だが、それ
以上の風でかき消された。とそういうことらしい。腕に装着できるのか。
「ガイアさん、あいつは北条が作り出した人工人間、ドラゴンクロウです、でも力を
一つ使えないとか」
「・・・・そういうことか、なるほどな、力とはあれのことか、確かに命のないあい
つじゃ無理だな」
ガイアの説明に俺とエリスが首を傾けていると、
「おい!何故邪魔をした!」
北条が人口人間に怒鳴った。
人工人間は体をびくつかせる。
「す、すみません!!で、でも、こいつが北条さんを――」
「黙れ!いつこの男を殺せといった!X1!」
どうやら人工人間の呼び名はX1らしい。
「X1、お前、私の邪魔をしてただで済むと思っているのか?」
「も、申し訳ございません!!どうか、お許しを!!」
X1は必死に頭を下げ謝る。
これでは本当の人間ではないか。
「許し?許しをこうのに頭を下げる必要はない」
「で、では!」
許してもらえると思いX1は頭を上げる。
「甘えるな!!許されると思うな!許されたいなら結果を見せろ!こいつらを、殺せ
!ドラゴンクロウは別だ、それ以外は皆殺しにしろ!」
「は、はい!」
北条がガイアに向き直る。
「ガイア、そういうことだ、死んでもらうぞ。そして、わが娘、エリス、お前もだ」
「あなたは、間違っている!」
エリスが叫ぶ。
「間違っている?ふざけるな!本当の娘でもないお前に何がわかる!?お前はこの世
にいても意味がないんだ!お前みたいな出来損ないは死ぬ運命なんだ!!」
「そ、そんな・・・・くっ」
エリスの目に涙がたまる。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「やれ、X1!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はい!白龍!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一瞬でエリスの下に飛ぶ。
わずかコンマ0、1秒。
「赤龍」
ドウン!!ゴゴゴゴゴゴゴゴ!
ものすごい音をあげた紅蓮の炎が白龍状態のX1に直撃する。
「・・・・・ふざけるのも、いいかげんにしろよ!?」
「がぁっ!」
X1が真っ黒な状態で煙から吹き飛ばされる。
「この世にいても意味がない?」
俺はゆっくりと、X1に歩み寄る。
「出来損ないは死ぬ運命?」
痛みに苦しむX1の前までくる。
「ひ、ヒィィィィィ!」
「黒龍!」
ドォォォォン!!!!
ものすごい音が鳴り響き、黒いうずが周りを囲む。
「な、何!?」
北条もこの力に、何かを感じる。X1の比ではない。
数分前の俺の非でもない。
「ま、まさか・・・・・・・」
X1は、黒龍の力で消滅し、赤い玉のみが、北条の前に転がる。
「あ、あれは・・・・」
ガイアが俺を見ていう。
「イ、イッキ・・・・・」
エリスも俺を見る。
北条が俺を見て・・・・・
「し、神龍・・・・・」
俺の腕からは禍々しく、神々しい、結晶がが突き出している。
結晶のなかは、光り輝き、真っ赤に染まる赤龍、漆黒の黒龍、疾風の白龍、
すべての色が交差する。
瞬間結晶が俺の腕に引き込まれる。
「あれが、X1でもてに入れられなかった力、4っつ目の力神龍・・・・」
ガイアがつぶやく。
応援に来た仲間たちにザワつきが出る。
「ガイアさん、ここから逃げてください」
「何!?」
「ここにいたら、みんなも危険だ」
「だが!」
「心配ありません、俺は負けない、それにムーンストーンもぶっ壊す」
ガイアは俺の目をじっと見る。
その目に何か感じたのか、
「全員撤退だ!怪我をしている仲間、死んでいる仲間も、見捨てるな!船に全員を積
むんだ!異界師全員をだ!」
ありがとう、ガイアさん。
俺は心の中でつぶやく。
「おい!」
聞き覚え絵の或声が俺の耳に聞こえる。仲間のひとりが担いでいた。
「お、お前・・・・・」
ライズ!
「まだ決着はついていないんだ、死んだら殺すからな」
エリスの十八番の言葉を言う。
「はっ、お前もくたばるなよ」
そして、
「死なないでよ・・・」
ライラ・・・・
「約束・・・・・はできないかもな」
俺はにっと笑顔を見せる。
ライラもそこで笑ってくれた。
悪い、俺の為に傷つけち待って・・・・・・
ありがとう。
「全員撤退だ!」
ガイアの指示に従って、みんながどんどん撤退していく。
みんなが叫びながら俺に何か言ってるのはわかる。
それだけで、涙が出そうだ。
ほぼ全員が出て行ったと思うと、ガイアが叫んだ。
「エリス!」
「エリス?」
ガイアが叫んだ先を見るとエリスはそこの残っていた。
「私は残るわ!」
「「!?」」
その言葉に残った俺とガイアが言う。
「私はイッキの力そのものだもの」
!?
・・・・・・・・・・・・・・・
「エリス、バカを言うな、早くこっちに・・・」
「そうだな」
「イッキ!?」
ガイアが俺の言葉に、反論する。
「エリスは俺の力だ、そして、大切な、俺の大切な人だ、戦いが終わったら真っ先に
言わなきゃいけないこともある。ここにいてくれた方が好都合なんですよ」
エリスの顔に笑があらわれる。それとともに少し赤みがかった、顔も見られる。
「イッキ!・危険だ!」
「大丈夫です、俺には新しい力があります」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガイアは黙り込む。
そして、口を開いた、
「任せていいんだな」
「はい」
「・・・・・分かった、だが俺も残るぞ」
「それはダメです、ガイアさんにはまだやらなくてはならないことがある、異界師み
んなが撤退した先にはまだ敵はいる。それを突破しなくてはいけない、それにはあな
たの力が必要なんです。ライズもライラも瀕死状態です。あなたがいなくては、いけ
ないんです」
「くっ」
悔しそうに歯を食いしばる。
「父に伝えてください、俺が、世界を変えたと、世界を救ったと、あなたの野望を叶
えたと」
「・・・・・・必ず、必ず伝える」
「ありがとうございます」
そして、ガイアは後ろを向き、何も言わずに走り去る。
仲間の下に。
頼みましたよ、リーダー!
「北条、よく何も言わずに、そこでつっ立っててくれたな」
「あたりまえだろう、君たちの別れを邪魔す¥してはいけないだろう、お前たちふ
たりは死ぬのだから、わが娘の命と引き換えにな、それに少し準備もしていた」
見ると北条にはX1に埋め込まれていた、たまもうめこまれているのだ。
その玉は俺の神竜の力を受けたからか、神竜と同じ色をしている。
この時俺には何を言ってるか意味がわからなかった。
だが、今コイツの言ってる力で、大切な人を守れるんだ・・・・・
「イッキ・・・・」
エリスが俺に歩み寄り、手を優しく握る。
「生きて帰ろう、ふたり一緒に」
「あぁ、絶対にだ」
俺は北条に向き直る。
「さぁ、終わらせるぞ!」
「ああ、あぁ!こい、ドラゴンクロウ!強者よ!」
始まる、最後の戦いが。
強者と化した俺の最後の戦いが!
ここまで読んで下さりありがとうございます!
つ義でラストです!どうか、どうか!よろしく!