始まり
どうぞ、最後は感動し泣ける物語。エリスとイッキの出会いが全てを変える。そんな大きく小さな物語です
俺が世界を変えてやる
ありえねぇと誰もが笑いやがる。
そんなクソな世界。
世界が生み出したこの世界。
俺だって最初はいいと思ったさ。
でも、それは表だけ。
そう、あの時までは。
こんな世界になってから、もう5年ほど立つ。
お金とはお札、金貨のことを指していた時代も終わり、今の世界はもう電子マネー。
あまりお金持ちじゃない家は昔みたいに自分で商売してるが少々の金持ちはだいたい ロボットにやらせている。
学校は中学3年で終わり。高校大学はない。働くということを目的の社会。
漫画のような近未来。車は少し浮いて道路の上を走る。
ロボットの性能は数多く、いろんなロボがいる。
もう、自衛隊は消え、すべて機械。
銃等開発している国はもうない。
腕にはめてうつレールガン。電気を素材にした武器等が数多い。
なにせ、すごいパワーを持つ石を手に入れたそうで、その力は1ミリの欠片で、
乾電池10万倍はあるという。すべてそれで構成している。
だから大体は機械を作る仕事か、その部品を作る仕事につく。
こんな世界を作ったのがKSW(国際スペシャルワールド)。
どう作ったかは企業秘密とかで教えないのだ。
だが、俺はその石の秘密を知ってしまった。
俺の親父、火神ジョーはKSWで働いていた。
もう、俺が生まれた時ぐらいからだ。
たいてい毎日のように夜中に帰ってきていた。
普通の生活。
それをある日。
俺が中学3年年お職業体験で仕事につこうとオヤジの会社KSWに見学に行った時だ。
オヤジは俺がくると思ってなかったらしく、俺は中に入ってオヤジを探した。
その時だ。ありえない光景を俺は見た。
俺の親父紫の不気味な石に包まれていた。
その瞬間オヤジから水晶のようなものがオヤジを包み、オヤジが一瞬で砕け散った。
その瞬間俺は恐怖と悲しみの中、一人の研究者が言った。
「完成だ!」
そこから俺は何も覚えていない。
どう家に帰ったかも何も。
だが、思うのは復讐心だけ。
そして、世界への不安だけ。
何が完成だ。ふざけんな。訳がわからない。
俺は多分言い訳に使ったのだと思う。
復習とは良くないこと。いずれは自分が朽ち果てる。
その復習の言い訳に俺はこう誓った。
そう、言い訳に使ったのかもしれない。
だが、それもまた良し。
この世に偶然はない。あるのは必然だけなのだから。
そう、これは必然なのだ。
必然という偶然をひっくり返す。
ありえない言葉。
誰もが笑う。そんな言葉。
『俺が世界を変えてやる!』
そこから俺の長く、短い旅が始まった。
そんな、小さく、大きな物語。
世界の渦
成田空港。
「それじゃあ、俺は行くよ、母さん」
今の飛行機は昔とは違い、高速のジェット機。
一瞬で外国についてしまう。
「イッキ、あんた本当に外国で働くの?」
「あ、ああ、そうだよ」
嘘だ。俺は働くつもりはない。
復讐のために砂漠に落ちているダイヤを探す。
そんな旅立ち。
母親に嘘をつく罪悪感。
オヤジは事故死だと告げられたが俺は真実を知っていた。
でも、母さんには言えなかった。
「ま、大丈夫だって、もう、戦争もなく、ある意味今は昔とちがって、世界と言う名の国だからさ、母さん」
「そうだけど――――」
「心配ないって」
「なら、いいけど」
ありがとう。母さん。
俺を育ててくれて。
母さんが育ててくれたこの命無駄にはしない。
これからの母さんが生きる未来。
大切な人の生きる未来を俺が変えてみせるから。
「じゃあ、いくよ」
「体に気をつけてね!」
「あぁ!また!」
俺は走って空港に向かう。
っつっても、あんまりいい飛行機には乗れないしなぁ。
こっちの、オンボロの方だな。
視線の先には、大型ジェット機ではなく、小さなジェット機。
と言っても俺には十分なものだ。
「すいません、チケットを一枚―――」
「申し訳ありません、こちらのフライトはもう満員でして――」
「え?いやいやいや、キャンセルとかは?」
「申し訳ございません―――」
―――――――――――
ってわけで、
「くっそー!」
最悪。
うつむいて歩いていると、
どかっ!
「あ、すいません」
「あ、あぁ、こちらこそ、けがはないかね?」
「はい、すみません、ぼーっとしてて」
独特で紳士な五〇代くらいの男性とぶつかった。
ぶつかった衝撃で男性の荷物が落ちてしまった。
「す、すみません!」
俺はいそいで荷物を広い、最後に布に包まれた綺麗な石を持ち上げると、
「ま、まて!」
「はい?」
あの、優しそうな雰囲気だったのが血相を変えて、言ってきた。
「な、なんともないのか?体に異変は!?」
驚いたようにいってくる。
「は、はい」
「――――い、いや、すまんね、それは少し大事なものでね」
「い、いえ」
そして、すべて荷物拾うと、
「すみませんでした、ちょっと、考え事をしていて」
「なんだね?考え事とは?」
「いや、実は――――」
話をすると、
その人は何やら考え込んで、ニコッと笑った。
「ならこれを、あげよう、私の手違いでとってしまった便だ」
「えっ!いいんですか」
フライトのチケットをくれると言ってきた。
「すみません!お金を」
俺は断ると後悔すると思ってすぐ買おうとおもうと、
「いいんだよ、余った券だ」
「でも」
ニコっと笑って俺の腕に握らせた。
「あ、あの」
男性は歩いて行ってしまった。
「ありがとうございます」
俺は大きな声で挨拶をした。
券を見るとしっかりとしたフライトの券だ。
これで助かった。
そう思ったのが運の尽き。仕組まれているとも知らずに。
これから起こることも知らずに俺は券を見つめた。
地獄のチケットを。
「あの人なかなかいい人だったけど――――」
俺は指定された便にいってみた。
かなり高級な便に見える。
あのじいさんは何かの財閥か?
機体にはKSWと大きく書いてある。
『まもなく離陸いたします』
「やっとこの島国からも離れられる、親父、俺がこの行かれた未来を変えてみせるから」
ちょうどこのフライトはイギリス。KSWの本部。
イギリスなのにKSWのなかにE・Uの字は一文字もない。
だが、なぜイギリスなんだ?
本部を建てるなら、アメリカが普通だ。
あそこは今一番成長している国。一番KSWが働きやすい国だ。
でも、あそこを本拠地にしないところを見ると。
何かある。
あの石の秘密。
暴いてやるか。
席はAの32。
「32――32っと、ここか」
何だ、この便。
誰もいない?やっぱり高級便なのか?
それとも、変な場所に・・・・・・
『ピンポン!シートベルトをお締めください』
「あ~、はいはい」
俺が席の横にある、シートベルトを取ろうとすると、
「お、いるじゃん、ほかの客」
見る限りでは、俺と同じ年くらいの女の人?が座っていた。
これで、変なところに連れてかれないってことはわかったな。
『ピンポン!無事離陸が完了ししました』
無事って、無事じゃないことなんかあるのか?
ん?あの娘、トイレか?でもそっち機長室だぞ?
離陸した瞬間に前の方に座っていた子が動き出した。
そして、機長室に消えていった。
瞬間!
「ドンッ!ドンドン!ドン!」
機内に銃声が鳴り響いた。
そして、一瞬で静まり返った。
俺はこの時初めて知った。
既に自分は世界の渦にまきこまれているのだと。
ここまでお読みくださりありがとうございます!この小説は完結しているので、どんどん投稿します!ラノベの新人賞も狙ってます