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FILE39 施設からの脱出

かなり長い間執筆できませんでした。申し訳ございません。また合間を見つけては早めに執筆致しますのでよろしくお願いします。

川田を除く一行は目当ての脱出用車両がある場所へと到達していた。


まずは北川がM37を構えて車庫をクリアリングする。

内部にはゾンビはいなかったようで、一行はだだっ広い車庫に一台だけある大型のトラックを見つけ近寄っていく。


「これが脱出用の車、なの?」


かなえがイメージと違うとでも言いたげにトラックを眺める。


「まぁこんなもんでしょ。あくまで人員輸送するためなんだからさ。」


嶋村がトラックの後板をコンコンと叩いて言った。


「車両は私が運転する。君たちはこの中へ入ってくれ。」


北川がトラックの後板を下ろしてステップを出す。


「わしは腰も痛いし柔らかいシートのある助手席に行かせてもらうよ。」


岡本が腰を叩くジェスチャーをして助手席のドアを開けて乗り込んだ。


トラックの後部は鉄の骨組みにOD色の幌を被せ、輸送人員用の座席は側面から出ているすのこのような長板があるだけでクッション性はない。

それに向き合って座るよく映画にある軍用の輸送トラックだ。


「皆早く乗るんだ。あまり時間はないぞ!」


北川が嶋村やかなえ達を急がせる。


「でも川田はどうするんだ!?」


嶋村が北川に困ったような表情で問いかける。


「川田君を信じよう…彼ならやってくれるはずだ。」


北川の決意のこもった眼差しを見て嶋村も納得したのか無言で力強く頷き車両に乗り込んだ。


「この施設内の写真もバッチリ撮った。落ち着いたらこいつらがやったことを公開してやる。データのバックアップも取ったし…後は脱出するのみだ!」


上田は愛用のカメラをチェックしている。

脱出後、世間にこの騒動の事実を公表しようとしているらしい。



「私達助かるんだよね。唯…絶対に貴方の死を無駄にしないから…」


真里亜が俯きながら亡き友へと思いを馳せている。


「僕何にも役に立てなかったけど…でもこれを機会に強くなりたい…」


涼がまだ幼さの残る顔に決意の表情を浮かべる。


「皆さ、あまりそうゆうこと言わない方がいいぜ。」


嶋村が苦笑いを浮かべる。


「え?なんでなの?」


キョトンとした表情でかなえが聞き返す。


「そうゆうのって俗に言う死亡フラグってやつだからさ、事が終わった時に言わないと死ぬ確率高くなるよ。」


嶋村はやれやれといった表情で周りを見渡す。


「ぜ、前言撤回。今のはなしだ…」


上田が冷や汗をかきながら訂正する。

僕も、私もと右に習えをする複数の声が聞こえる。


「脱出するぞ!」


運転席から聞こえる北川の掛け声と共にトラックは前進を開始した。


灰色のコンクリートの中を抜けながら、トラックは勢いよく走り抜けていく。


解放されたゾンビが至るところにうろついている。

トラックは邪魔なゾンビを跳ね飛ばし、踏みつけて進む。OD色のボディは赤黒く染まり、ガラスにもどす黒い血や肉片が飛び散っている。


北川はワイパーで血を洗い流すも次から次へと血だらけになっていく。

後部も、ゾンビを踏む度に伝わる鈍い骨や肉の潰れる感触が座っているすのこ座席を通じて尻から伝わってくる。


「おい、こいつへばりついてるぞ!」


上田が指を差す先には車両の最後部、搭乗するためにある後板にゾンビがしがみついていた。


「くらえ!落ちろ!」


上田が足元に落ちていた鉄パイプでゾンビの指を叩きつける。

爪が剥がれ、指の肉が抉れ中から骨が出ても指を放さない。


「死ね!」


頭を鉄パイプで突くと、ズブと鈍い感触と共に頭部に鉄パイプが沈んでいく。

糸の切れた人形のようにゾンビは後板から指を放して頭を放物線を描くようにしながら落ちていく。


突き刺さったままの鉄パイプの先から黒い血と、灰色のゼリーのような脳を吹き出しながら地へと落下する。


トラックはようやく建物内から屋外に飛び出した。

しかし、屋外には既に大量のゾンビが解き放たれうろついていた。


埋め尽くすとまではいかないが、かなりの量のゾンビがいきなり現れたトラックに一斉に興味を向けた。


地獄の底から響くような唸り声でトラックに近づいてくる。


「おいおい、どんだけいるんだよ…」


嶋村が絶句してその光景を眺める。


「北川、あまりやつらを踏み潰すなよ。タイヤが血と肉と脂で滑って横転するぞ。」


助手席で岡本が鋭い眼光を周囲に光らせながら北川に警告する。


「えぇ、もう既にかなり滑るようになってます。持久戦は不利だ。このままあのフェンスを突破します!」


この忌まわしい施設との境界線でもる金網のフェンスに向かって北川はトラックを突撃させる。


フェンスのひき千切れる激しい金属音と破砕音が響き、トラックは勢いよく飛び出した。


後部ではぶつかった衝撃により、全員がすのこ座席から浮き、ぶっ飛んで身体をぶつけていた。


「いつっ…なんだよこれ、こんなにぶっ飛ぶもんなのか。」


嶋村が頭を押さえて立ち上がる。


「皆大丈夫か?ケガはないか?」


上田が周りを確認しながら問いかける。


「何とか無事です…」


「こんなに飛んだの初めてだ。」


「わ、私もギリギリ大丈夫です…」


全員何とかケガはないようだった。


「取り敢えず施設からは出れたようね。川田君はどうなったの?」


かなえが施設を眺めて言う。


「あいつのことだ。何とかするだろうさ。」


嶋村が大丈夫だと言わんばかりに親指を立てる。


一方前方の北川と岡本は…


「取り敢えず今のは酷かった。わし後ろにいたら腰砕けてたわ。」


冷や汗を拭いながら岡本が言う。


「すいません、あれはああするしかなかったもんで。取り敢えずここから先に進みたいんですが、住宅街から出ようと思います。このトラックじゃ小回りが効かないので取り囲まれたら不利です。


確か西の方は開けた田畑が広がってるのでそこの方面に向かいます。」


北川は住宅街をうろつくゾンビを横目に田畑の方へとトラックを走らせた。

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