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FILE19 絶叫

更新が滞っていてすみませんでした。では、お楽しみください。

上田は男に向かって鉄パイプを振り下ろした。

鈍い音がして男の頭部から血が飛び散る。上田の手に殴った衝撃が走り、共に鈍痛が襲った。


しかし男は平然としている。


『何なんだいったい?‥』

上田は唖然として、目の前に立っている男を凝視した。男の手がゆっくりと上がり、その手に持ったナイフが上田を狙う。


その時、銃声が轟き男の手が赤く染まり、ナイフが地面に落ちて高い金属音を立てた。

北川が苦悶の表情を浮かべニューナンブを発砲していた。


『今だ!やれ!!』


北川が叫んだのを見ると上田は間髪入れずに男の顔面に鉄パイプを叩きつけた。男の鼻が砕ける。

しかし、片方の手に所持したナイフを素早く突き出したのに上田は素早く反応できなかった。

なんとか避けようと身を捻ったが肩口を掠める。

パッっと赤い血飛沫が舞い、上田は右肩を押さえた。

『痛ぇ!!痛ぇ!やめてくれぇ!』


上田は倒れ、後退る。

ガリガリに細った男はニヤニヤ顔をさらに歪ませ、上田にナイフを構えて近寄る。男は体中血塗れの状態だが気にしていないかのように上田をゆっくりと追う。

男がナイフを上田の頭上に構えた時、北川が渾身の力を込めてタックルした。

不意打ちに男は倒れ、北川も、もんどりうった。


『うあああぁぁぁぁ!!』

北川は鬼気迫る表情で、上田が落とした鉄パイプを拾い男に向かって叩きつける。一発、二発、三発‥

男の顔面が歪み、砕け、汚らしい歯がへし折れ、赤黒い血液が吹き出る。


だんだんと茶色い皮膚が捲れ、皮膚の下の白とピンクがかった肉が剥き出し、細胞が破壊される。

北川はニューナンブを男の目に構え、発砲した。

血と、硝子体というドロリとした透明な液体が吹き出し、38スペシャル弾が眼球を破裂させる。

もう一発残りの目に発砲し、同じように眼球を破壊した。


両眼を潰されても尚男はニヤニヤとした表情を辞めない。いや、前にも増してニヤニヤしているようにも見える。

北川は怒りよりも、恐怖が元になり絶叫していた。


北川は返り血を浴びながら鉄パイプで男を殴りに殴った。

もう既に男の顔面は原型を留めていなかった。


最後に一際大きな絶叫を上げ、北川は男の潰れた目に鉄パイプを突き立てた。

北川の渾身の一撃は眼底を突き破り、脳まで鉄パイプが届いたようだ。


男は痙攣し、最後にニヤリと笑うとくぐもった声で少し呻いて動かなくなった。

北川は鉄パイプから手を離すと、鉄パイプは男の目に突き立ったまま止まっている。

北川は糸が切れた人形のようにペタリと地面に座り込み、肩で息をする。


そして、その背後でようやく動けるようになったかなえが男の死体を見て嘔吐した。

地面に吐瀉物が撒き散らされる。

上田もようやくショックから立ち直ったようで、肩を押さえながら死体を眺めると、口元を押さえた。


『うっ‥ひでぇなこりゃ。ぐちゃぐちゃだ‥』


上田は自分の血が付着したカメラを構えて死体を撮影した。


『いったいどうなってるんだ‥コイツらといい、歩き回る死体といい‥なんでこんなに狂ってるんだ!』


北川は歯を食い縛り、自分が殺した男を見た。

そこには見るも無残な姿になった化け物の亡骸があるだけだ。

まさか自分がこんな蛮行をするなど今の今まで思った事などなかった。

いや、逆にそういうヤツらを事前に捕まえ、犯罪を防止すると誓っていたのに‥たった半日程度で日常が変わった‥


『さぁ、先に進もう‥川田君達を待たせる訳にはいけない。』


疲れ果てたように立ち上がると北川巡査は二人を連れて一事、郵便局へと向かっていった。

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