表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

-08-

 

 リナが息を呑む。


「ひ、人型魔物!? これは、分類不能種! に・・・逃げた方が良いです」


 バルドは斧を構えたが、その手がわずかに震えていた。


「クソッ。なんて圧だ!」


 黒い“何か”が、ゆっくりとシンタローたちを見回し、その視線が、シンタローに止まる。


「アァァ・・・タァ・・・タス・・・ケッ」


 かすれた声。だがそれは、悲鳴のようでもあり、呪いのようでもあった。


 次の瞬間。


 バシュッ!!


 黒い影が弾丸のように飛び出し、シンタローの目前に迫る。


「ッ!!」


 反射で槍を突き出すが、火花のような黒い魔力を纏った腕とぶつかり、周囲の空気が爆ぜた。

 衝撃で石床が砕けるが、砕けた地面を蹴った影が、爆風で吹き飛んだ俺に追い付き、押し込んでくる。


「っぐ!」


 俺を掴んだ腕から流れ込む魔力は冷たく、痛みを伴う悪意そのものだ。


「は、なれ、ろぉ!!」


 全魔力を槍に集中させた槍の穂先は白く光り、振り抜くと雷鳴のような衝撃が走った。


 ドガァァァン!!


 黒い影は壁に叩きつけられ、洞窟の岩壁が崩れ落ちる。


 だが“何か”はすぐに立ち上がった。

 歪んだ口を開き、今までより明確に、言葉を発した。


「タス・・・ケ・・・テ・・・」



 リナの顔が曇る。


「もしかして、誰かに変異させられた?」


 バルドが歯を食いしばった。


「だろうな! だからこそ、止めねぇと!」


 俺は槍を握り直す。


「お前が誰なのか知らないが、苦しいなら俺が・・・救う!」


 黒い影は咆哮し、俺たちに襲いかかる。

 魔力の奔流がぶつかり合い、洞窟が揺れる。




 幾度となく繰り返される魔力のぶつかり合いの中、俺の胸の奥で何かが燃え上がるように熱くなるのを感じる。


 ドクンッ。


 視界に、淡い光の粒子が舞う。

 次の瞬間、シンタローの腕から何かが“溢れ出した”。


 光の糸?


 それは空中に広がり、まるで意思を持つかのように奔流を描く。


「な、なんですか。シンタローさんから出てるその光は!」


「魔力が、形になってやがるのか!?」


 黒い影が迫る。

 俺は反射的に右腕を突き出していた。


「うおおおおおおおっっ!!」


 光の糸が一斉に収束し、右腕が巨大な槍の形を成す。


 《光 纏 槍(コーティングランス)


 見た事も聞いた事も無い武器が、俺の意思に呼応するように輝いた。


 ドガァァァァンッ!!!


 光纏槍が黒い影の胸を貫き、その衝撃波は洞窟を吹き抜けていった。

 人型の黒い影は断末魔をあげるように身体を震わせ、そのまま黒い霧となって消滅した。




「はぁっ、はぁっ・・・っ・・・」


 リナが駆け寄り、俺の腕を取る。


「い、生きて、ますか!? う、腕は、着いてますか?」


 バルドも傷だらけの体で立ち上がる。


「オッサン。今のは魔法か? いや、まぁ、今は、良いか」


 俺は自分の右手を見つめた。光はすでに消え、ただの手に戻っている。


「わからない。けど・・・たぶん、俺に“新しく生まれた力”だ。と思う」


「マジで規格外だな」



 しかし、勝利の余韻に浸る時間はなかった。


 洞窟の奥から、ひとつの“影”がゆっくりと現れた。

 輪郭は人のようでいて、人ではない。形が一定せず、霧散しそうなほど儚い。


 《目覚めたのかい?》


 声が、直接俺の“心”に響く。


「誰だ、お前は?」


 影はふわりと浮き、俺の目前に現れた。


 《名はもう必要ない。私は、“観測者”。この世界を外側から見る者》


 リナとバルドが息を呑む。

 どうやらこの声は、二人にも聞こえているようだ。そして二人とも“観測者”?という存在を知ってる様子だ。


 《君の存在値は異常だ。この世界の“枠”を壊しうる力を宿している》


「存在? 値?」


 《そう。君は“こちら側”の生命ではない。だが、ただの転移者でもない。君の力は、本来この世界で扱えるものではない》


 いや、そんな事を言われても、俺だって来たくて来た訳じゃねぇよ。

 俺自身、異世界に来た理由も原因も全く知らされてねぇんだよ。


 《君の力は“外界式”。この世界の理とは異なる法則で動く。ゆえに、魔物の変異も・・・君が来たことで、始まった》



「・・・・・・」


「そんな。シンタローさんは悪くなんて・・・」


「ふざけんじゃねぇ! 全部オッサンのせいって言いたいのかよ!」


 影は静かに首を振る。


 《違う。彼は“引き金”にすぎない。原因はもっと単純。この世界そのものが崩れかけているだけだ》



「世界が、崩れる?」


 《君は選ばれた。この世界の崩壊を食い止めるために。“外界の力”を扱える唯一の者として》


 そして影は、ふっと薄く笑ったように見えた。


 《だが安心しろ。“戦い”はまだ始まってもいない》


 影の身体が霧のように薄れ始める。


 《世界の来訪者よ。君の力は、世界の境界を揺るがす》


 そして、完全に消える直前。


 《次に会う時、君は“選択”を迫られるだろう》


 影は完全に消え、空洞には再び静寂が戻った。



「シンタローさん・・・」


「どうするよ、オッサン」


 世界の崩壊?

 俺が選ばれた?

 なんだそりゃ。そんな物を俺に押し付けるんじゃねぇ。


 俺は洞窟内を見渡し、ゆっくりと息を整えた。


「そんなの決まってる」


 俺は二人に振り返り、力強く言った。


「クエスト完了だ。これでやっと、宿屋に泊まれるぞ!」











  - 第一章 完 -

この作品は90%をAIが執筆した文章です。


シンタロー、頑張れ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ