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3話 どうやって生きてきたんだ。こいつは


ここはエルドラ王国のホテルだ。


夜になっても変な聖女は起きないので一緒に泊まることにした。本当はこんな変な人とは関わりたくは無いのだが、流石に放置する訳にも行かなかった。




────あ、起きた


「よぉ、大丈夫か?」


「ヒィィィ!?なになになになに!?何これ!?天国!?私死んだ?」


突然、聖女は立ち、あとずさる。いちいちうるさいやつだ。


「あぁ、さっきまで死んでたな。そんな体動かすとまた死ぬぞ?」


死んだことを自覚してんのか?こういうところは流石は聖女様だ。


「ひぃぇぇぇぇ!声もタイプなんですけど…」


何か言っているが声が小さくて聞こえない。


聖女は近くにあった料理用ナイフをもちだした。あ、まずい!!!


「大丈夫だ!!俺はどこにも行かない!!ずっとそばに居るから!!!」


普通に殺さないでくれ。記憶が曖昧になってしまう。


「え!?本当に?」


聖女は顔を赤くしながら近づいてくる。ナイフは持っていない。


「あぁ、約束するよ」


「じゃあ、(ちか)いのキスをしましょう!お父様が言ってたの!結婚する時はお互いが好き好きどうしだよーってことを()()に証明するためにやらなくちゃいけないことなの!だから仕方ないよね?仕方ないからやってあげます!いや、ちょっと待って今のなしね?(テンションが上がってつい上から目線になってしまった…嫌われてたらどうしよう…)あぁ…なんか死にたくなってきた…」


ん?この流れさっきも見たような…


「ナイフはお預け!もう自殺しようとしちゃダメ!!分かった?」


「はい⤵…」


この子は俺に会うまでどう生きてたのか…


「とりあえず、急にキスとか意味わかんないから!名前だけでも教え合おう!!」


「えと…私の名前はクリスタ。いっつも手を合わすだけで色んな人からお金もらってる!!」


クズか。聖女をなんだと思っているんだ。こいつは。


「…俺はアベル。元、勇者パーティメンバー。現、ニートってところだ!よろしくな!」


なんだ。俺のプロフィールも最悪じゃないか。


「あ!そうだ!私と結婚するなら、アベルは最強の騎士にならなきゃダメだよ!お父様が言ってた!」


「は?」

「面白かった!」


「続きが気になる!」


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