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ワルプスギスの夜

作者: 豊田直輝

世に吹き荒れる風は激しい雨と共に現れて

希望も夢も奪っていくなり

何も持っていないこの私から

これ以上何を持っていこうというのか

無情なる雨は無常となり

世界を雨で埋め尽くす

世界はたちまち洪水氾濫となり

世界の7割の陸地が水没する

世界の都市部は沿岸にある事が多く

都市という都市はあっという間に機能しなくなる

治安が乱れた世界の情勢は

弱肉強食の末期症状

倫理も道徳も宗教理念も全て役に立つことなく

暗澹とした未来しか描く事ができない

そうか

これから最後の審判が始まるのか

世界が闇に染まり切ったが故に

人類の選別が始まっていくに違いない

ワルプスギスの夜に

心と命を天に捧げていく

ああ神様

私はもうこの終幕の世界で

光と希望を見る事が出来ないようです

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