それって正義じゃなくていじめだよ
芸能人やスポーツ選手などの不倫報道について思うこと。
不倫の是非については置いておく。少なくとも現代日本においては悪であるとの認識が一般的であるからだ。
しかし不倫を糾弾できるのは被害者たる妻(あるいは夫)だけではないだろうか。有名人ならばファンや当人が所属する組織までがぎりぎりそれが許されるラインだと思う。それまでその人を応援してきた人たちだ。
それまで彼に(あるいは彼女に)見向きもしなかった人々が不倫報道を機に寄ってたかって罵声を浴びせるのは事の筋目に合わないことのように思う。
「社会的な制裁は必要だ。子供が真似したらどうする」という反論があるかもしれない。
しかし、それは短見というもの。確かに子供たちは大人の言動を見ている。相手に悪のレッテルを貼り自らに正義という免罪符を与えることで、その相手にはどんなにひどい言葉を浴びせても構わない、むしろ積極的に叩くべきだという大人の言動を。
犯罪行為は許されないことではあるがそれでも法治国家たる日本においてそれを裁けるのは司法だけである。そして、その場合に於いても犯人への糾弾が許されるのは被害者と被害者遺族及び被害者に近しい人々に限られるだろう。基本的には。。。
犯罪の場合は自分や家族、親しい人が被害者になるかもしれないという恐怖感から犯人を叩くというようなことがあるかもしれない。それは理解できなくもないがそれを許容できるかはまた別の問題である。
人は、自分や家族が被害者になり得るということに関しては容易に想像できるが、加害者にもなり得るということには全く想像が及ばない。
人は、正義という免罪符を手にすると、理性という歯止めがかからなくなり際限なく悪口雑言を吐き他人を追い詰める。
そうして追い詰められた人が自殺をすると「なにも死ぬことはなかった」などとのたまう。
悪いことをしたら然るべき手続きによって然るべき罰を受ける。それでよいのではないか。
まして不倫は犯罪行為ですらない。
奥さん(または旦那さん)に誠心誠意謝って、許してもらう。もしくは許されずに離婚して慰謝料を払う。それでよいのではないか。
無関係な第三者がしゃしゃり出て罵詈雑言をまき散らすのは、見ていてあまり気分の良いものではない。出来ることなら控えてほしいというのが私の願いだ。