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本編

「カレン・レイジス、貴女のと婚約を解消する。

そして、私はソフィアとの結婚を宣言する!」


殿下の言葉に私は絶望を感じずにいられなかった。

私との10年間は殿下には意味がなかったのでしょうか?


「————————————————————————————————」


私の素行・非道について何やら言っているようですがまるで理解できません

放課後階段から突き飛ばした?昨日はお城にいて学園には来ていないことは殿下も知らないはずがないというのに!

私を貶めてまで彼女と婚約をしたいと言うのですか。


彼女。ソフィア・アルメイス様。

平民として暮らしていたが、1年前伯爵家の娘だと発覚し学園に転入。

そんな彼女を軽視するものも多かったが、実際に目にすればあれこそが本物なのだと皆が思い知らされることになった。


美しかった


容姿もさることながら、所作、振る舞い、ただ歩くという行為ですら正しいということは美しいのだと皆に知らしめました。


彼女と殿下が近しいことは知っていました、何より彼女の方から私に謝罪に来ていただけたのですから。

「自分からは殿下には近づかないようしており、殿下にもそれとなく離れるよう言っているが聞いてもらえない」のだと。

そんな彼女の言葉は嘘だったのだろうか?




それより殿下の行動には理解できません。

ありもしない罪を捏造するなど私はともかくレイジス公爵家として認めることはできないでしょう。

隣国との戦争を避けられない状況にありながら、最悪は国を割ることにもなりかねない暴挙。

愚かな方ではなかったのですが、恋は盲目ということでしょうか?


「カレンよ何か言うことはないのか!」


正気ですかと言ってやりたい。

馬鹿ですかと言ってやりたい。


婚約者に対してなら諫めもしよう。

幼馴染としてなら罵倒もしよう。

だが今はどちらの立場でも発言できない。

どんなに愚かなことでも王族としての言葉を臣下の娘としての立場でしかない私が否定するわけにはいかない。

貴族の秩序、公爵令嬢としての誇りが許しはしません。


「ソフィアよそこをどくのだ」


その言葉にうつむき目を伏せていた私が上を向くと、いつの間にかソフィア様の背中が見える。


ああ、やはりこの方は嘘などついていなかった。

私を守ろうとしてくださっているのですね!


「私も我慢していたのよ、婚約者がいるのに口説いてくる屑とか、恋人でもないのに勝手に体に触ってくる変態とか即ぶちのめしやろうと思ったけど我慢したのよ」


・・・ソフィア様?


「これもテンプレなのかしらと待っては見たけれど、限界だわ」


一応仕事でもあるのでパーで勘弁してあげるわと仰った瞬間。


バチイィィ!!


という大きな音とともに殿下が真横に吹っ飛んでいくのが見え、地面を転がりながら壁に激突。


・・・グーではどうなっていたのでしょうか?


気を失っているようですが、ソフィア様の治癒魔法のおかげで殿下には一切傷が見当たらない。

さすがソフィア様治癒魔法までお使いになられるとは。


「カレン様、このようなことになってしまい大変申し訳ございません」


「いいえソフィア様、助けていただいてありがとうございます」

うふふふ、ソフィア様に助けていただけるなんて殿下には感謝しないといけませんね。


「しかしソフィア様、私は貴族として叱らなくていけません」

いかにソフィア様とて貴族社会に入ってからまだ1年もたっていないのですから仕方ないのですが。

これもソフィア様のためです!




「ああ、うーん、これは内緒だけどね伯爵家ってのは嘘なのよ」


ソフィア様は私にだけこっそりを教えてくださった。


隣国との戦争に備えて学園の護衛として来た冒険者であること

最高位のSランクであること

戦場は優位だからこそ暗殺や誘拐などから学園を守るよう依頼されていたこと

護衛対象の殿下を吹っ飛ばしたことに文句を言われたら戦争に参加でチャラにするつもりとのこと

それでも認めないなら違約金を払って敵側についてやると脅してやると


Sランク冒険者に敵に回られたら大変なことになりますね。


「とりあえず国王にはここに来るように連絡を入れといたから」


殿下を吹っ飛ばしてしまった以上事態を収めるには陛下にお越しいただくのは一番いいのかもしれませんが、陛下を呼びつけるあたりさすがソフィア様です


SIDE ソフィア


私は異世界転生者だ。

前世のことはあいまいで特に自分のことは全くと言っていいほどわからない。

現在15歳、親なし、家なし、金なし。

まあ異世界特典にはすぐ気づいたので何とかなるかと考えていた、ぶっちゃけイージーモードだと。


私の特典はレベル100。


ディ〇ガイア的な世界ではありませんようにとの願いも通じたようで、魔王を倒す勇者が50~60だそうだ

イージーモードにはベリーがついた気がした。


テンプレ通りに冒険者になり、旅をしながら高ランク依頼を受け最速Sランクになる。


ちなみに人族と魔族では出会えば即殺し合いの戦争状態、というか生存競争中?とでもいう感じ。

人族の方が数は圧倒的に多いが、魔族は子供でもレベル20くらいの戦力となる。

魔王が生まれるとさらに全魔族が強さを増すといった具合。

それでも基本は人族有利、戦いは数だよ兄者!


とはいえ相手が魔族でも怯えている子供を殺せるほど日本人はやめてなかった模様。

そういう時はやむを得ず気絶で済ませてしまうなんてのもザラだった。

その魔族が他の人族を殺す?構わんよ、私の知らないところでの争いはしーらない。

つまりは、心に棚を作れ!ってことだな。

・・・違うか?


Sランクになって半年くらいたちある町で定住することになった。

ずっと旅を続けていたのでゆっくりすることにした。

それがまずかった。

一か月がたったころには周囲の様子がおかしくなっていた。

まるで私の信者のようなものが増えていたのだ。


主観で絶世の美少女、これもレベル100の影響だろう。

容姿で男から貢がれるくらいはわかる、だが男女問わないのだ。

もともと接している時間が多いもの程異常行動が大きく感じられた。

その時閃く、圧倒的閃き。

剣術といったスキルがあることは聞いていた。

スキルレベルは10が最大だと聞いていた。

なら魅了だとか、洗脳だとかのスキルがあるのではないか?

それらもレベル制なら100なのではないか?

そこまで考察が至った時には命を捧げるなど言い出すものも現れる。

大惨事を避けるために、精神の状態異常回復を願い唱える。


"サニティ"!


この世界にそんな魔法があるかは知らないがなんか発動した。

町全体に効果を広げ再度発動。

効果は確認ができたので、よし逃げよう。

国を超え誰も来ない山の中で自給自足生活を始める。


数十年たっても容姿は変わらずどうやら不老になっているようだ。

魔法の研究だけでなく、科学の研究もしてみようか。

とりあえず目標は家電等一式開発っと。



およそ300年ほど引きこもり日本にネット可能なスマホの作成が完了。

科学と魔法の勝利であった。


演技スキルを使えば町でもある程度ごまかせることは分かったが基本は山で過ごした。

引きこもっている間にどうやら勇者と魔王が戦い勇者が負けたようだ。

その後魔王によって滅んだ国もいくつもある。


今いる国まで滅ぶのは困るので。

冒険者の資格は取り直し、必要があれば目立たないよう依頼を受ける。

とある影響から娯楽本の出版なんてこともしてみた。

悪役令嬢の婚約破棄、こういうのが流行っているのか。



魔王は新たな勇者に倒されたので復興を手伝いつつ。

それから100年ほどが経ちランクもSまで戻っていた。


さて次の依頼はとギルドへ向かう。

何?ギルマスから頼み事だと?


国からの護衛依頼か、もうすぐお隣とは戦争だが、冒険者の戦争参加依頼はNGだからな。


しかしまた護衛かぁ、長く生きているが精神的に成長しないのか我慢が苦手だ。

先日のように頭にくる護衛対象をぶっ飛ばして回復魔法でうやむやというのは流石に無しにしよう。

今回は我慢だ私、いい歳なのだからな!


SIDE 国王


まさか呼び出されるとは思わなかったのう。


一体息子になにがあったのじゃ。


政略結婚ではあったが10年間不満を見せたことはない。

どころかお互い想いあえる関係で羨ましいと思っていたほどじゃ。


ワシなんて完全に白い結婚、王妃は仕事としてパートナーじゃったし。

側室も貴族間のバランスから選ばれただけで愛が無いとは言わんが恋はなかったのう。


と思っていた矢先、なぜ婚約破棄となる?

人を見る目は自信があったのじゃが、耄碌したもんだ。


むう、ソフィア嬢ちゃんは美人じゃったし本気になってしまった?

まさかじゃ、護衛の平民であるとは伝えておる。

王子としての自覚はしっかり持っておったのは間違いはない。


とはいえ必ずしも人は正論だけでは動いてはいないのじゃ。

隣国との戦争もその一つともいえるのかも知れんな。

勇者の支援をしない国が魔王討伐後、世界的にどういう位置に立たされるかわかっていただろうに。

100年前からこの戦争は決まっておったのじゃろ、ゆえにわが国では軍事力を高めていたのだ。


ふう、考えがそれてしまったな、王子は一体どうしたものか・・・


初投稿にお付き合いいただきありがとうございました。



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