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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第19-4話 イルミニの依頼 その3

小道の中に広がった空間を眺める

広さは2,30メートル程の幅の小さな空間だ


苔の生えた岩、点在する背丈ほどの小さな木が目を引く

地面は少し湿っていて、水気の多い場所である事が伺える


イルミニが前に進み、周囲を見渡す

そして岩の傍まで歩き、そこでしゃがみこんだ


「暫く採集するから、周囲はお願いね…」


「はい」

イルミニの言葉に俺は返事し、ルシュが頷く



俺とルシュはイルミニから少し距離を取り、待機し

イルミニは花や草、苔等を採集を始めた


俺はクラブを木に立てかけ、楽な姿勢を取る

森の中に目を向ける、明るいが木々に阻まれるので見通しはあまり良くない


俺とルシュは周囲を警戒するが、相変わらず森の中は鳥と虫の鳴き声が響くばかり

とても静かだ



「………」


誰も口を開くことはなく、静かに時が過ぎる



このまま何も無く終わりそうだな


そんな事を考えていると、森の奥からガサガサと音が聞こえる


俺はすぐにクラブを持って構える

音はかなりの速度でこちらに向かってきている


そして



木の陰から何者かがこちらに飛び掛かってきた



「くっ!」

俺はクラブで何者かを受け止め…

きれず、強い衝撃で後ろに吹っ飛ばされる


「うわっ!」

強い勢いで地面にぶつかるが、湿った地面だった事が幸いし、

草と泥で汚れる程度でそれほどダメージは無かった



俺を吹き飛ばした相手を見る


そこには1メートル程度の大きさの二足歩行の怪物の姿があった


全身濃い緑色の体毛をした毛むくじゃらの生物で

右腕に大きな爪が2つ伸び、熊よりは細く小さい体

大きくむき出した瞳と低い鼻が特徴的だ


「あれは…ベリーム」

イルミニが呟く


ベリームと呼ばれた魔獣は俺には目もくれず、

イルミニに向かって走る


「イルミニさんっ!」

俺は起き上がるが、ここからでは間に合わない…!



ベリームはイルミニに向かって飛び掛かろうとした瞬間、

重い音と共に吹き飛んだ


イルミニの前に鋼のメイスを持ったルシュが立っている


派手に吹き飛んだベリームは木に叩きつけられ、動き出す様子はない


その様子を確認した後、ルシュは俺の方に駆けよって来る


「大丈夫?ヨウヘイ」


「ああ、何ともない」

起き上がった俺はクラブを地面に置き返事する


俺は服から汚れを払い、ルシュを見る


ルシュは何とも無さそうだ

俺を心配してくれている事が分かる


「ありがとう、ルシュ」


「うん」


とやり取りをした所で、イルミニを見る


「イルミニさん、大丈夫ですか?」

見るからに何とも無さそうではあるが、確認する


「ええ、あなた達が守ってくれたから、何ともないわ…」

動じている様子は余りない、こういう経験は割とあるのかも知れない


「まだ時間かかるから、引き続き宜しく…」

そう言ってイルミニは採集を行い、

俺達はまた護衛に戻った

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