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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第19話 マーテンのギルドにて

「でやぁ!」


俺の持つ木製のクラブがガワを捉える


ガワは勢いよく吹き飛び、動かなくなる


俺はクラブを置き、息を整える



俺の左前方に居たルシュが振り返り、口を開く


「こっちは終わった」


ルシュの声には多少の疲れが見える


「ああ、こっちも何とかなったよ。

ギルドに戻ろうか」


--------------------------

「依頼完了を確認しました。

こちらが報酬になります。

お疲れさまでした!」


モアさんが報酬を手渡してくれる


笑顔のモアさんにお礼を言う


俺達は帰る前にギルドに併設された酒場で昼食をとることにした

酒場のテーブルにつき、飲み物を注文する


飲み物が運ばれてきた後、俺はエールを飲み、ルシュは果実のジュースに口をつける


「今日も無事に終わったね」

ルシュは淡々と喋っている様に見えるが、心なしか上機嫌であることが分かる


「魔獣、まあガワとかだけど、戦いにも慣れてきた気がするな」

仕事終わりのエールが染みる


まだ正午になったばかりなので、この後はゆっくり出来るのは嬉しい


…あのルッタ駆除の依頼から既に1週間が経過していた


ここ最近討伐依頼を受けることが多くなっていた

ほぼガワや危険性の低い魔獣ばかりだったが、

実際武器を振るい、回避する動きが磨かれてきた様に思う


とは言え、先日のルッタ討伐の時に出会った

ミノタウロスのレゾルをはじめとしたオークのムーグ、ハーピーのチティルの三人組と比べると

俺はまだまだだ


ルシュは身体能力ならば右に出る者はいないと思うが、経験が足りないだろう


…俺はテーブルに立てかけたクラブを見る


これは俺が呼び出した武器ではない

俺が呼び出した棍棒は基本的にはルシュが使っている

このクラブは店で購入し、俺が自分の武器として使用している


一週間程の付き合いだが、結構手になじんできた


そんな事を思いながらエールを飲み、食事をとる

ギルドの酒場をまともに利用したのは今回が初めてだ


こうやって座っていると、周囲から色々な声が入って来る


少し強力な魔獣が出現した

どこかの古城に賊が住み着いたとか

平原で二日連続でアンデッドが出現した等


耳を傾けているだけでも情報が集まってくる


これまでひたすら目の前の依頼を受けているだけだったので、

あまり意識したことは無かった



正面に座るルシュは食事に舌鼓をうっている

彼女は食事が至福の時の様だ


--------------------------


酒場で食事を終え、帰宅しようとした時、

依頼窓口に立つ人物の後姿が目に入る


やや緑掛かった黒色のローブには見覚えがあった

受付のモアさんがローブの人物を見る俺の目線に気付いた様で、俺達に向かって手招きする


「ルシュ、呼ばれてるみたいだから行ってみよう」


俺の言葉にルシュも窓口の様子に気付く


窓口に行くと、ローブの人物がこちらを向く

その人物は白い長髪に白い肌、何よりも特徴的だったのはその顔に付けられた

目隠しの様なものだ


「イルミニさん」


「あら、あなたたちは…」

以前イルミニさんと出会ったときは暗い店内だったから

真っ黒なローブだと思っていたが、明るいギルドの中ではちょっと色が違う事に気付いた


俺達の様子を見たモアさんが口を開く


「イルミニさん、ヨウヘイさん達に依頼を受けて頂くのはどうでしょうか?」


「そうね…」

モアさんの提案にイルミニさんは同意した様だ

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