第18話 農作物を守れ
この日のギルドの様子は普段と違っていた
普段なら多くても10人くらいの酒場に
今日は妙に冒険者が多い
一緒に居たルシュも普段と様子が違う事に気付いていた
「何かあるのかな?」
「う~ん、モアさんに聞いてみようか」
そう言いながら奥に近づくと、でかでかと貼られた依頼書が目に留まる
「ルッタ退治…?」
俺とルシュが貼り紙を眺めていると、受付のモアさんに声を掛けられた
「今ルッタの退治依頼を皆さんにお願いしているんです。
お二人も引き受けてはもらえないですか?」
ルシュがカウンターの前に立つ
「どんな依頼なの?」
モアさんは貼り紙を指しながら
「マーテン北部の農村地帯付近で、ルッタと言う魔獣を退治してもらいたいんです。
ルッタはこの時期になると大量に沸いてきて、農作物を荒らすので、退治依頼を出しているんです」
と説明してくれる
貼り紙を見ると、報酬はルッタ1体につき3ラントとなっている
外見は…バッタみたいだな
ルッタとバッタ、なんか響きも似ている
ただサイズが50cmくらいはあるようだ、でかい…
ガワよりも安い、と言う事はガワよりも弱い魔獣と言う事か
「魔獣そのものは強くはないんですが、数が多いんですよね…
強制ではないんですが大変なので、
是非受けて欲しいなあ~と思ってます」
お願いするような感じでモアさんが俺達に話す
強くないなら、まだまだ実力不足の俺にも丁度良い依頼か
一体の報酬は安いが、その分数を倒せると言う事でもあるし…
可愛い女性にこうお願いされて引き受けようと思った訳ではない
「お安い御用です、引き受けましょう!」
心なしかジト目をしているようなルシュの視線を感じながら、俺は依頼を快諾したのだった




