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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第17-5話 魔法 その5

テーブルの上に三つカップが並べられた


いずれも違う形をしていて、俺の前に置かれたものはぐにゃぐにゃの形の陶器で、ちょっと持ちにくい


中にはお茶が淹れられている

特製の薬草を煎じたものらしく、独特の匂いが鼻をつく



ルシュが少し口につけてから何とも言えない表情をしている



一息ついてからイルミニが口を開く


「魔法については何も知らないと言う事で良いのね…?」


「はい、見た事はありますが、どういったものかは全く…」


俺は返事をする、俺の知ってる魔法はゲーム等の創作物の中のもので、

知識もその程度しかない、これは実質無知と言って良いだろう



「どうやったら魔法が使えるようになる?」

ルシュがストレートに質問する


魔法の事、とは少しずれているが、最終的に聞きたい事はここなので、

丁度よい質問だろう


「…そうね…

さっきも軽く触れた事だけど…」

一呼吸置いてイルミニが続ける


「ヨウヘイさんは…

今のままでは使う事は出来ないわね…

もしも魔力が目覚めたら、人族と同じ詠唱魔法や精霊魔法が使えるようになると思う…」


魔力が全くないと言う流れから、魔力が目覚めるなんて事は無いだろうなあと感じる


イルミニはルシュの方向を向き、少し間をおいてから話す


「ルシュさん、あなたは魔力を安定させて、勉強をしたら詠唱魔法も使えるようになると思う…

そして、本当に魔人なら魔族と同じ魔法も使えるようになるかも知れない…」


本当に魔人なら…?


一瞬どきっとするが、イルミニはそれ以上追及する事は無かった


「今、詠唱魔法や精霊魔法と言ったけれど、魔法には種類があるの…」

イルミニはお茶を口につける


俺も続いてお茶に口をつけてみる

独特の臭みと言うか、薬っぽいツンとした味がする


ルシュがあの表情をしたのが理解出来た


「まずは『魔法』…

これは魔法全体の事も指すけれど、根源的な魔法…

ある日突然、なにを学ぶ訳でもなく初めから知っていたかの様に自身の魔力を使って行使出来る力…

魔族や妖精族が使えるわね…」


村長の使っていた魔法はこれかな…?


「次は『詠唱魔法』…

自身の中にある魔力を詠唱によって形作る魔法…

人族が使う魔法は基本的に詠唱魔法ね…

魔族も使えるけれど、普通に魔法が使えるからあまり必要とはされないわね…」


「詠唱魔法はきちんと勉強しないと使えないわ…

魔族の国ではそういう施設は無いけれど…」

イルミニが付け足す



「後は『精霊魔法』ね…

これは自分の魔力を媒介に精霊から力を借りて行使する魔法…

エルフみたいな妖精族が一番得意としている…」


ここでイルミニが一呼吸置く


「後は神聖魔法なんかもあるけれど、そこは私は良く知らないわ…

魔法の基本的な要素はそれくらいかしら…」


「喋り過ぎて疲れた……」

イルミニがため息をつく



-------------------------


「今日はありがとうございました」


「ありがとう」


話をし終えて、帰り支度をしながらイルミニに話かける

イルミニはカップをトレイの上に乗せていた


「こちらこそ、珍しい物を見せてもらったから…」


そうそう…とイルミニが何かを取り出す

彼女が手のひらに乗せたそれは、小さな透明な石だった


「今日のお礼よ、気持ちだけど…」

その石をルシュに手渡す


「これは何?」

ルシュが尋ねる


「力を込めるように念じてみて…」

イルミニがルシュの質問に返事をする



ルシュが手のひらに乗せた石を見つめ、少しすると

石が淡く輝く


ロウソクの火よりも弱いが、暗闇の中だと十分灯りになるくらいの明るさだ


「おお…」


「うわぁ…」


俺とルシュが感嘆の声を漏らす



「光の魔素の結晶を加工した、簡易魔道具よ…

魔力に反応して光るの、使ってると無くなる消耗品だから注意してね…」


「いいの?」



「ええ、遠慮なく持って行って…」


「イルミニさん、魔法の事だけじゃなくこんな物まで、

ありがとうございます」


俺はイルミニに頭を下げる


それを見てイルミニがふふっと笑う


「こちらこそどういたしまして、魔道具がご入用ならまた来て…」


イルミニに見送られながら、俺達はイルミニの魔法店を後にした

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