第16話 初めての依頼
冒険者登録した翌日、俺とルシュは冒険者ギルドに訪れていた
以前なら取り敢えず数日後にしよう…と後回しにしてもおかしくない事だが
翌日即行動したのは、アステノでの生活である程度積極的になったからだと思う
駆け出しの身であるため、駆け出しでも行える依頼が無いか確認しに来た
依頼の貼り紙を見ようとすると受付のモアさんに声を掛けられる
「こんにちわ、ヨウヘイさんにルシュさん」
「こんにちわ、モアさん」
「こんにちわ」
俺達も挨拶して返す、それにモアさんは笑顔になり
「依頼のお探しですか?」
と尋ねてきた
モアさんはダークエルフで少しツリ目の外見から、勝手に尖った性格をイメージしていたので、
この柔らかい応対の仕方に気持ちが解れる
「ええ、駆け出しでもこなせる依頼ってありませんか?」
ここは素直にその道のプロに聞くのが正解だろう
そう思った俺はストレートにモアさんに質問する
「そうですね、色々ありますよ。
建設の手伝いとか警備とか」
思いがけない言葉が飛び出す
「建設…警備…」
ルシュが呟く、ルシュも予想外だった様だ
「一般の方が受けられるお仕事もギルドに依頼が来ますからね」
俺達の様子を察したのかモアさんが説明する
冒険者だから討伐!冒険!のイメージを持っている人は結構居るのかもしれない
「もちろん、冒険者の方の為の依頼もありますよ。
え~…駆け出しの方にもおすすめ出来そうな依頼で今日は…」
モアさんが書類に目を通しながら話す
「お二人は戦闘経験はありますか?
あるならどれくらいでしょうか?」
俺とルシュは顔を見合わせる
俺一人の実力で解決した戦いは無いが、ルシュは十分な実力を発揮したと思う
「え~、俺は少しだけですがラズボード、スケルトン、グアンプとなら…
ルシュはラズボード、グアンプですね」
俺の言葉にモアさんは少し目を丸くする
「まあ、経験あるんですね!
ならこの依頼は問題ないかと思います」
モアさんが差し出した依頼用紙には『ガワ討伐』と書かれていた




