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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第1章 異世界と魔族の村
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第12-11話 村長と魔獣退治 その4

「何だ?」


俺は羽音のする上方を見上げる


ルシュも俺と同じ様に上を見ている



そこにはグアンプクイーンの姿があった



「クイーンがもう一匹!?」


俺は鋼のメイスを握りなおして構える

ルシュは折れた棍棒を拾い上げる


そしてクイーンは俺達と同じくらいの高さに降り、

こちらに飛んでくると思った瞬間



クイーンが力を失ったように地面に落ちる

まるで大きな置物が落ちたかのようだ



「……?」


地面に落ちたクイーンは動かない


隣にいるルシュも俺と同じ様に様子を伺っている


程なくして気付く

地面に落ちたクイーンの表面がキラキラと輝き、冷気を出している


「メラニー?」

ルシュが村長の方向を振り返って話す



まさか村長がやったのか?



「一体だけならば対処は難しくないですからね」

村長が微笑む


--------------------

「まさかクイーンが2匹いるなんて」


「びっくりした…」

俺の言葉にルシュが返事する


「グアンプ達の数が多かったから、まさかとは思っていました。

巣が二つ近くにあるのでしょう」

村長は俺とルシュに皮袋の水筒を渡してくれる


礼を言って水筒を受け取り、水を飲む

疲れきった肉体に水が染み渡っていく感覚がある


「巣はこのままでも良いんですか?」

俺の質問に対して村長は


「クイーンがいなければ巣は機能しないので残ったグアンプ達もすぐにいなくなります。

戻りましょう」


村長の言葉で俺達は集落への帰路についた


--------------------

道中はグアンプとの戦いが話題になった


「初めて魔法を見ました、凄かったです」

俺は村長に話し掛ける

ルシュも俺の言葉に頷く

凄かった…月並みな表現だがこれ以外出せる言葉は無かった


俺では一匹一匹苦労しながら倒したグアンプを次から次へと氷のつぶてで迎撃し、

氷の剣、風の魔法や無数の氷のトゲ、最後のクイーンを一撃で仕留めた凍結魔法等

今思い返しても凄まじい物があった


「ふふ、ありがとう。

けれどヨウヘイ、ルシュ、二人が居なければもっと苦労していたかも知れないわ」

村長が俺とルシュを労う


ルシュはその言葉に笑顔になり、俺も少し気恥ずかしくなる

世辞かも知れないが、それでもやり遂げた満足感があった


--------------------


この後集落に戻った俺達は、集落の面々から持ちきれないほどの感謝の品を頂き、

一泊させて貰った後にアステノへと戻った

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