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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第1章 異世界と魔族の村
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第8-4話 新たな力?

夜更けになっているが、この時間でも尚村の空気が少し違う事は感じていた


テオックはエールを少しずつ飲みながら、眠気がやってくるのを待っていた

そんな中、家の扉がノックされる


外は相変わらず静かだ、例の竜族が暴れたらこんな空気ではない

となると、村人の誰かか、ヨウヘイか


「テオック、良いか?」


ヨウヘイの声だ、奴も眠れなかったか

まあ仕方ない事だな


「おうどうした、入っていいぜ」


-------------------------------


扉を開けるとテオックが椅子に座ってエールを飲んでいる


様子を見るにやはり眠れなかった様だ

俺の姿を確認するとテオックはおう、とエールのジョッキを持った腕を上げる




そして、その直後に怪訝な顔をして

鼻をすんすんと動かす



「お前、もしかして」



テオックが喋っている最中に俺が家の中に入る



そしてテオックは俺の後ろにいるルシュの姿を認めると


「まさかその娘、竜族!

連れてきたのかっ!?」


テオックがエールを持ったまま椅子から転げ落ちそうになり、

なんとか転ばないように踏ん張った



「落ち着けテオック、この娘は危険じゃない」


「っつってもいきなり連れて来る奴があるか!?」

テオックが叫ぶ


確かにいきなり連れて来たら驚かれるのは当然だった


「それはまあその、ごめん」




テオックが落ち着くまで少し時間を要する事となった


-------------------------------


「お前本当にいきなりとんでもない事するよな……」


テオックは半ば呆れていた

魔族にとっては恐怖の象徴とも言える竜族


そんな存在を安易に連れて来た俺が軽率だったと今更ながら思う


でもどうしてもルシュが危険な存在であるとは俺には思えなかった


テオックはルシュの様子を気にしていた

ルシュの様子を見ると、家の内装を見渡したり、

時折俺やテオックの様子を伺っていた


テオックにはルシュが危険な存在ではなく、

コミュニケーションが取れる相手である事を説明しておきたかった


ルシュに話しかける

「ルシュ、コイツはテオック、俺の友達だ。

俺はコイツの世話になってるんだ、君にもきっと良くしてくれる。

でも、コイツや村の皆は君を怖がってるんだ」



黙って俺を見ているルシュの瞳を見つめながら俺は続ける


「俺は君と皆が友達になれると思ってるんだ。

だから、簡単な挨拶でいいからコイツを安心させてやってほしいんだ」



ルシュが不安そうな表情になる



だが意を決したのか、テオックに顔を向ける

「私はルシュ、倉庫の屋根を壊してごめんなさい。

優しくしてくれてありがとう」



……



テオックが何とも言えないと言いたげな微妙な表情になる


「この子は今、何て言ったんだ?」

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