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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第1章 異世界と魔族の村
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第1-2話 異形 そして

獣の頭をした人型の怪物が近づいてくる


「なんだよあれ…」


全身から汗が噴き出す、心臓が高鳴り生命の危機を伝える


「こ、殺される…」


そうしている間にも怪物が近づいてきている


「うわああぁぁ!」


怪物とは逆方向を向いて駆け出す、追いつかれるかもしれないけど、考えている余裕は無かった


しかし、恐怖と焦燥で駆られた状態では上手く走ることができず、

脚がもつれて転んでしまう


----------訳が分からない内にこんな場所に放り出されて、もう死ぬのかよ



不意に手元に落ちていた棍棒に視線が飛ぶ


考えている余裕はなかった


立ち上がり

「うわあぁぁ!来るなあ!」


もう10メートルほどの距離にまで近づいてきている怪物に向かって棍棒を振り回す

「…!…!!」

怪物が吠える

だがそんな事は関係なかった


とにかく声を張り上げ、がむしゃらに棍棒を振り回すことで

追い返せるかもしれない

それだけを祈っていた



そして

「いいかげんやめろ!あぶねーだろ!」


声がはっきり聞こえた



……え?日本語?


声を出すのを止め、腕を振るのも止めて目の前に立っている怪物に視線を移す


怪物はこちらの動きを確認し、警戒するようにではあるが、口を開いた


「ようやく静かになってくれたか、いきなり暴れるなよ、びっくりするだろ」


何を言っているのか理解はできるが、驚きで声が出せない


「どうした?とりあえずその物騒な物を下ろしてくれよ」


言われるがままに棍棒を地面に置く


「お前人族だろ?初めて見るよ。

どうしてこんな所にいるんだ?」




「あ、いや、俺…気付いたらここにいて、

ここがどこかも分からなくて…」


怪物をまじまじと眺める

頭は良く見ると犬の様な形状になっている

体毛は茶色で、腕や足も毛に覆われていた


先ほどまで怪物だと思っていたが、

こうやって襲われることなく話しかけてきてくれている、何者なのだろか

「あんたは一体何なんだ?

その姿…人間じゃない」


こちらの言葉を聞くと、犬の顔だから本当にそうなのかは分からないが

驚いたような表情になる


「え、お前、コボルトを知らないのか?

確かに魔族は色々いるけど、さっきの様子じゃ魔族自体知らないみたいだな」


コボルト?マゾク?

なんかゲームみたいだな

さっきヒトゾクとも言ってたが…


「俺、ここがどこかも知らないし、コボルトも初めて見たよ。

正直何も分からないんだよ」


コボルトはこちらを少し見た後


「嘘を付いていなさそうだな、変わった服も着てるし

異国の旅人なのは違いないよな、記憶喪失か…?」

と続ける


「ま、とにかく行く当てもないなら俺の住んでる村に来るか?

今日の飯と寝床くらいは用意してやるよ。

俺はテオック・ルオノー、お前の名前は?」


「俺は朝井 陽平、陽平だ」


「ヨウヘイか、よろしく。

とりあえず付いて来な」

テオックは背を向けて歩き出す


死ぬほど運が悪いと思ったけど、こんなに優しい人に出会えるなんて

捨てる神あれば拾う神ありだな

怪物とか思っててごめん、テオック


「ありがとうテオック、あんた凄く良い人だな…!」



「よせよ、照れるだろ」

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