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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第40-9話 メラニーの言葉

村長から放たれた言葉


その意外な内容に俺は一瞬言葉を失う


村長は言葉を続けることなく、俺を見つめ続けた


「留まる…と言うのは旅をしないと言う事ですか?」

俺の言葉に村長は頷いた


「そうです、今の貴方とルシュは既に生活基盤を築くことが出来ています。

暮らすのであれば現状で十分だと思っています」


村長は少し目を伏せる


村長の言う事は尤もだ

今は生活が安定している、しかもこんなに良い屋敷まで貰ってしまった

冒険者としてもマーテンに留まり続けたとしても、恐らく食い扶持には困らない

…ルシュが居てくれたらの話ではあるが


「ルシュも、きっと貴方がそう判断すれば共に留まってくれるでしょう」

村長は俺の心を見透かしたかのように言葉を続けた


「俺も…同じ事を心のどこかで思ってました、今のままで良いんじゃないかって、

でも少し前、旅をするのかどうか聞かれて、気付きました」


以前アネイルを招き入れた時の彼女の言葉に、俺もルシュも言葉に詰まった

きっとルシュも同じ事を考えているだろう


「俺にその力が備わったかどうかは分かりません、

でも、俺は旅に出ようって思ってます。

俺がこの世界に来た事に意味があるかどうかは分かりません、それでも何かを成したいと思っています。

村長の今の言葉で、そう思い直しました」

俺は力強く言った


……


村長は瞳を閉じ、少しの間沈黙した


「そうですか、私の言葉が焚きつけてしまったのかもしれませんね」

そう言って村長は苦笑した


「私もヨウヘイと同じ考えだよ」

不意に聞こえる声


「ルシュ」

俺と村長が声の方向を見ると、そこにはルシュの姿があった


「聞いてたのか、ルシュ」

俺の言葉にルシュは頷く


「私は、自分の事を知りたいと思って村を出たけど、

今はヨウヘイと一緒に旅がしたい。

一緒に世界を見てみたい」

ルシュの言葉もまた力強かった


ルシュの言葉を聞き、村長は口を開く


「ルシュ、ヨウヘイ、貴方達が旅を行う事は、危険なだけではありません。

決してあなた達が知りたくない事を知ってしまう可能性もあります。

それで傷つき、心を病んでしまう事もあるかもしれません。

それでも、行きますか?」

俺とルシュを交互に見て話す村長の目は優しいものだった、彼女の中ではこれは確認の為の言葉であろうこと位は、俺でも分かった


「勿論です」

「うん」


俺とルシュの言葉を聞き、村長は微笑み

「本当に、本当に強く逞しくなりましたね」

と言った

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