第40-2話 懐かしさと予兆 その2
「メラニー!テオック!」
ルシュが二人の元に駆け寄っていく
俺達の姿を見てメラニーが優しい笑顔を見せる
「おいおい、ヨウヘイの知り合いかあ?」
周囲の冒険者仲間がどよめく
色めきだっていたのは村長の姿か
確かに目を見張るほど美しいと思うが…
俺も二人の元へ行った
「久しぶりだなー」
「元気そうで良かったわ」
テオックとメラニーが俺達に話しかけてくる
「村長達こそ元気そうで」
俺の言葉にメラニーはふふっと微笑む
「アステノの外で村長と呼ばれると不思議な気持ちね」
ルシュがメラニーに抱き着く
「お前達は相変わらずみたいでちょっと安心したよ」
テオックが俺達に話しかける
俺は少し周囲の目線とどよめきが気になった
「ここで立ち話もなんだし、場所を変えよう」
俺の言葉に全員頷いた
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「マーテンと言えばここだよなー」
テオックが満足そうに言う
…俺達はマーテンの一角にある食堂『サンフィン』を訪れていた
初めてマーテンに来た時にテオックと来た店であり
この街で冒険者を続ける俺とルシュは比較的頻繁にこの店で食事をしていた
「ヨウヘイさんとルシュさんいらっしゃいませー」
コボルトの女性店員さんが俺達を見て駆け寄って来る
「テオックさんとメラニーさんもいらっしゃいませー」
と挨拶してくれた
そして一通り注文を済ませた後
「おいおい、お前らの方が覚えられてるじゃんかよ~」
とテオックがジト目で俺を見てきた
「まあずっとこの街に住んでるんだから、拗ねるなよ」
俺は笑いながらテオックに話をする
その言葉にテオックもにやっと笑う
この感覚、とても久しぶりだ
アステノに居た時の感じ
メラニーも笑っている
……
料理が運ばれてくる
俺の元に来たのは
パンに似ているリュクに甘酸っぱいフルーツのソースがかけられたサンフィンの名物の一つ
ルシュは大きな肉料理を前に嬉しそうな顔をする
各々が食事を始める
「聞いたぜ、伝説の将軍を倒したらしいな、正直驚いたよ」
テオックが話す
「私もその話を聞いた時は耳を疑ってしまいました。
けれど、貴方達でなければ出来ない事かもしれないとも思いましたわ」
メラニーが続ける
「真正面から戦って勝った訳じゃないんですけどね…」
俺はメラニーに苦笑いしながら話す
「でも私達、頑張ったよ」
ルシュの言葉に俺は頷く
「積もる話もあるけど、それは俺達の家に行ってからにしよう、テオック、村長、案内しますよ」
俺の言葉にテオックとメラニーは頷いた