表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
250/290

第35-8話 ロウザンとの戦い 決着

ロウザンの全身に聖酒が降り注いだ


「ぬうっ!」

ロウザンが聖酒を受け、たじろぐ


この時の為に呼び出してからたっぷりと聖酒を棍棒に染み込ませた状態で置いてたんだ


本来なら、『これ』は他の棍棒である程度聖酒を浴びせ、消耗させたところで使用するつもりだった

新たな棍棒を呼び出した時、古い棍棒は消える

だが、消えるのは『古い棍棒のみ』であり、染み込ませた聖酒は消えない

ロウザンなら一度見たら二度目は絶対に通じない

だからそれまでは買い込んだ本物の棍棒を投げ続けた


『これ』を使うのは本当の意味での切り札だった


ルシュが魔法を使った事は完全に想定外だったが、上手く事が運んだ



「くっ…」

ロウザンは動きがふらつき、剣を落とした


これまでの聖酒の蓄積、そして今の直撃

ダメージと言って良いか分からないが大きく力を削ぐことが出来た

足取りがおぼついていない、これが恐らく最後のチャンスだ


ルシュは疲労しきっている、俺が…


と思い棍棒を握りしめ走ろうとすると、ルシュがものすごい勢いでロウザンに向かって駆けて行った


「ルシュ!?」

まだ体力が残ってるのか…!?

とっくに限界は超えてる筈だ



ルシュはその凄まじい勢いを保ったまま地を蹴り、跳んだ


彼女の踏み出した石床から小さく抉れる


そして


「やあぁぁぁぁ!」

彼女の声と共に放たれた蹴りが、ロウザンの胸元を捉えた

凄まじい衝撃音が聞こえた


「おぉ……」

俺はただ呆気に取られていた


何となくかつてテレビで見たヒーローの必殺技が脳裏をよぎる



「ぐおおぉぉぉ!」

ルシュの蹴りをまともに受けたロウザンはそのままの勢いで数十メートル先の壁へ飛んでいき衝突した

轟音が鳴り響く

その衝撃でこの部屋全体が揺れる程だった



……


ルシュは膝をつく

限界を大きく超えて動いた彼女は流石に疲れ果ててしまっていた


俺はルシュの元へ駆け寄り、彼女の身体を支える


「大丈夫か?」

俺の言葉にルシュは頷く、少し笑っている


暫くの沈黙、ロウザンは壁に衝突し、座り込んだ状態のまま微動だにしない


俺とルシュは固唾を飲んで見守る


静寂が場を支配する

幾ばくかの時間が過ぎた


そして


「勝ったよね、私達…」

ルシュが呟く


「ああ、そのはずだ」

俺は返事をする


間違いない、俺達は…

俺達は伝説のロウザン・レーゼンダルに打ち勝ったんだ…!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ