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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第35-6話 ロウザンとの戦い その2

ルシュが振るう大剣を悠々と受け流すロウザン


そして俺の投げる棍棒を的確に両断し、弾く


この攻防を既に何度も繰り返している


ルシュはロウザンの反撃を受け、少し後ろに跳び距離を取る

「はぁっ…はぁっ…」


ルシュの息が上がっている


これまでの攻防で相当なスタミナ消費をしている様だ

そして…


ルシュの着ている上着はロウザンの剣を何度も受け、既にズタズタになっていた


だが、特にこれといった負傷はしていない

チェインメイルで刃が止まっている


ロウザンの様子は変わらない…様に思えたがそうでもない

聖酒を浸した棍棒を両断し、その飛沫を浴びなかった所から恐るべき神業であると思ったが、

俺が何度も棍棒を投げ、それを防ぐ内に多少なりとりも聖酒を浴びてしまっている様だ


塵も積もれば…と言う様にほんの僅かな飛沫でも積み重なればその影響は大きくなる

多少姿勢がぐらついている様に見える


疲労困憊に見えるルシュに俺は声をかける

「ルシュ…」


「ヨウヘイ、大丈夫だよ、私はまだやれる…!」

俺の言葉を聞いたルシュは、ロウザンを見据えたまま返事をする


「分かった!」

俺は次の棍棒を投げ、それに合わせてルシュが距離を詰める


ロウザンは飛んできた棍棒を弾き、距離を詰めたルシュの剣を受けながす

幾つもの棍棒の残骸がロウザンの後方に転がっている


木製とは言え、容易に棍棒を両断するロウザンの剣が、ルシュのチェインメイルを断ち切れないようには思えない

以前のルシュの魔法を両断した事も含め、やはりロウザンは手加減していると感じた


剣を抜いたのはあくまでも俺の投げる棍棒を防ぐため…と言う事か?


いや、こんなことを考えても仕方ない

聖酒を浸した状態の棍棒はまだある

兎に角このまま聖酒を浸した棍棒を投げ続けるんだ



「やぁっ!」

ルシュの激しい斬撃を受け流し、そして避けるロウザン


その合間に飛んでくる棍棒を防御

ロウザンの動きは確かに鈍くなってきているよう見える


だがルシュの動きからは完全に精彩さが消えている、もう疲労が…


…?


いや、精彩さは無いが、動き自体はより速くなってる…!?


「ルシュ…!?」

ルシュはまるで熱にあてられたかのようにより激しく攻撃している


彼女のスタミナを考えればとっくに疲れ果てていてもおかしくない筈…


だがルシュとの剣戟を難なくこなすロウザン

いくらその動きがより強く激しくなったところでロウザンにとっては誤差の範囲にしかならないという事か


ロウザンはルシュの剣を避け、彼女の胸元に剣を突き出す

その勢いでルシュは勢いよく吹き飛び、俺の後方に倒れる


「ルシュ!」


チェインメイルに穴は空いていない、さっきの突きは攻撃というより、

ただルシュを押して突き飛ばしただけ、これも『殺さないように敢えてやった』と言う事なのは明白だった


ルシュは起き上がる

肩で大きく息をしている、疲労しているのは間違いないが、これまでと様子が違う


ルシュは俺を見る、彼女の赤い瞳の輝きが増している様な気がした

「ヨウヘイ、今ならやれると思う」


そう言ってルシュは剣を置き、右手を後方に動かし、そして

彼女の右手の掌に光が集まりだした

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