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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第34-7話 ウアルの村の聖女 その2

ウアルの村の中心にあるやや大きな建物


扉は開放されており、俺達はそのまま中に入る


中には長椅子が左右に4脚ずつ

そして中央に教壇があった


教壇と言っても簡素な人一人分の机と言った感じだ

内装も特に施されておらず、形式だけと言った感じだった


「こんにちは」

ぱっと見誰も見当たらないので、取り敢えず挨拶してみる


すると、建物の右奥のカーテンが開き、一人の女性が出てきた


「お祈りですか…?って

あなた方は…!」

黄金色の刺繍の入った神官服を身にまとったアリエラさんだった


……


「お久しぶりですね。

その節はありがとうございました」

アリエラさんは俺達に深々とお辞儀する


「いえいえ、この村にすっかり馴染めたみたいで良かったです」

無難な世辞を返してしまったなと言ってから思った


俺の言葉を聞いてアリエラさんは微笑む

「はい、村の皆様には本当に良くして頂いています。

こうして教会を立てて下さったり、お祈りも毎日しにきてくれています」


そして少し間を置き


「聖女と言う形で定着してしまった事だけは畏れ多いのですけれど…」

と言って苦笑いする


その言葉に俺達も少し笑う

彼女はすっかりこの村の聖女として祭り上げられてしまったようだ


「ところで、何か御用があってここへ?

ヨウヘイさんとルシュさんもレダ様の信徒に…?」

期待を込めたまなざしでこちらを見てくる


俺は慌てて

「あ、いえ…実は…」

という事で、これまでの出来事を話す


俺達の説明を聞いて、アリエラさんは呆気にとられた表情をする

「古の将軍を自称する方の噂は私も耳にしていました。その御方は本当にご本人だという事なのですね…?」

その言葉に俺達は頷く


「私達は本物だと思ってる、絶対そうだって訳じゃないけれど、只者じゃ無かったよ」

ルシュの言葉に俺は続ける


「エドリガの本にロウザンを倒す為に聖水が使われたと書かれてたんです。

だから、アリエラさんに聖水を譲ってほしくて来たんです」

俺は単刀直入に要件を述べる


俺の言葉に少しアリエラさんは黙る


そして

「聖水については喜んでお譲りします、と言いたいのですが、その…問題が二つあります。」

と言った


「一つは、『アスファの祝福を受けた聖水』と記載されていたのですよね?」

と俺達に尋ねてくる


「はい、本にはそのように書いてました」

俺の言葉にアリエラさんは少し苦い表情をする


「アスファとは水と癒しを司る神、私達の信仰するレダ教は地と恵みを司る神、レダ神を信仰していますので別の宗教となります」

と言った


「えっ…」

違う宗教である事は完全に盲点だった


目が点になっているであろう俺達にアリエラさんは続ける


「レダ神、アスファ神の他にも炎と繁栄を司るカノン神、風と調和を司るシューティア神が居て、

それぞれ四女神を信仰する宗教があるのです。

四女神はそれぞれ祝福も異なりますので、アスファ神の祝福を受けた聖水と同じ事が出来るかどうかは…」


と言いかけた所で、アリエラさんは一度口をつぐむ


「いえ、アスファ神に出来る事がレダ神様に出来ないはずがありません…!」

と言い直した


…その唐突な対抗意識?の様な彼女の言葉に俺達は少し気圧される


そして、そこからまたアリエラさんは少し落ち着いた様で


「という事で、レダ様の祝福の聖水でも効果がある、はずですが…もう一つ問題が。

実は、聖水は既に使い切ってしまったのです」

と言った


「そんな…」

ルシュが力なく呟いた

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