第33話 再びルガンドへ
俺とルシュはガリュエヌの古城を後にし、ルガンドへと向かった
おめおめとマーテンへ戻るのがかっこ悪いとか抜きにして、リベンジを果たしたい、その気持ちが強かった
幸い、ガリュエヌからはルガンドへ直接移動する馬車が出ていたので、移動に困る事は無かった
そしてその中で俺は今回の案について懸念している事をルシュに尋ねた
「弱点を突くっていうのは、正々堂々正面から戦うって訳じゃ無いけど、ルシュはそれでも大丈夫なのか?」
弱点を突くことが正々堂々かどうかは人によるだろう、俺はあのスタイルで戦いを挑んだロウザンに対しては
何となくフェアではないと感じる所もあった
要するに純粋に実力でねじ伏せた方が留飲が下がる所があるんじゃないかと思った
そんな俺の考えを知ってか知らずかルシュは
「とにかく私達で勝ちたい、勝ち方なんて関係ないよ」
と意外にもクレバーな返事がきた
ルシュは自身の実力にある程度のプライドを持ってると思っていたし、
恐らく持ってるはずだが、割り切っている様だ
そしてもう一点
「あの、ロウザンに向かって投げたのは魔法、なのか?」
俺の質問にルシュは少し困ったような表情をする
「多分、そうだと思う…
でも、何か次は出せそうな感じがしない」
自信無さげにルシュが答える
…ルシュの感情の爆発に合わせて使う事が出来たって事なんだろうか
魔法の事は俺には詳しくは分からない
使えた方が良い事は間違いないが、ルシュの消耗が大きそうな気がする
「取り敢えずあれについては一朝一夕でどうこう出来ない気もするし、取り敢えず弱点の方で行こう」
俺の言葉にルシュは頷く
そうして、数日間馬車に揺られ続けた俺達はルガンドへと踏み込んだ