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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第1章 異世界と魔族の村
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第5-4話 マーテン その2

外に出て、宿の看板を見てみる


【宿クルーノ】と書かれている


もしもこの町でテオックとはぐれてしまったとしても、ここに戻れば何とかなるだろう


携帯が使えないのは不便だなと思いつつ、テオックの後に続いて歩き始めた



俺とテオックは宿前の広場から伸びる複数の通りの中の一つに入った

露天が立ち並ぶその通りはたくさんの人が往来していた


コボルト、ゴブリン、オーク、オーガ…

腕が羽になっている綺麗なお姉さん、あれがハーピーか

後は、ミノタウルスらしき人も見える

小柄な人も居る、この人達がハーフリングって妖精族か…


様々な様相の人々とすれ違いながら歩く


そんな中、時折視線を感じる

往来している人々がこちらを見ている事があるようだ


それに気付いた俺を察したのか、テオックが

「まあ何度かやりとりしてるけど、人族は珍しいからな」

と言う


考えてみれば当然か、アステノの村人は初めて見た人族が俺だった、

そこから距離の近いマーテンなのだから、同じく人族はそうそう見かけないのだろう



…等と考えているとテオックが一軒の店の前で足を止める


「着いたぞ、ここだ」


店の看板には【ルステン】と書かれている


----------------------


店の中に入ると小柄で紫色の肌をした小悪魔の様な店員が居た

インプと言うそうだ


「いらっしゃいませ~」

こちらに興味が無さそうな表情で店員が喋る


「これを買い取ってくれないか」


テオックがそう言いながらカウンターに麻袋を置く


「はいは~い、しばらくお待ちくださ~い」

と店員が言って中身を確認し始める


その間、俺は店の中を眺めてみる


店内は薄暗く、戸棚にはペースト状の薬や液体にトカゲみたいなものが浸かっていたりと

怪しげな薬が並ぶ


名前を見ると、風邪薬、魔力薬、睡眠導入剤等々、

日常的に使われそうな物が多い


アステノでは魔法を使える人が村長しか居ない事もあり、

魔力薬は村では扱ってなかったとふと思う


そして入った瞬間には感じなかった異臭が鼻を突く


そうこうしている間に、インプの店員が口を開く


「いい魔草も入ってますね、これ全部で64ラントでどうですか~?」


「分かった、それで頼むよ」

テオックな値段に満足したようだ


「どうもありがとうございました~」

代金を受け取り、俺とテオックは店を後にした

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