第5-3話 マーテン
マーテンに入った後、テオックの案内に従ってとある宿に入った
町の入り口のすぐ近く、前に小さな広場がありそこが目印になっている
「あら、テオックじゃない、久しぶりだねえ」
宿に入りすぐ声を掛けられる
声の先に居たのは恰幅の良いオークの女性だった
「久しぶり、とりあえず二泊頼むよ」
声を掛けてきた宿の女将とテオックは知り合いのようで、
すぐカウンターに料金を置いた
「あら、お連れさんは人族?
珍しいねえ」
と女将に声を掛けられる
マーテンでは人族は居ない訳ではないらしいが、珍しい様だ
俺は女将に挨拶する
「ここは飯も安くて美味いし、部屋もゆったりしてるんだよ」
とテオックが言い、女将がもちろんだよと相槌を打っていた
店員の女の子に連れられて
俺とテオックは二階の部屋に案内された
部屋に通された俺は中を確認する
部屋に入って左側にベッドが三つ等間隔に並び、
右手側にはクローゼット、椅子、小さめのテーブルが置かれていて、
装飾品はほとんどないが、清潔な部屋だと感じた
「これで一部屋一泊10ラントなんだぜ、良いだろ、
俺はマーテンに来た時はいつもここに泊まってるんだよ」
テオックの言うとおり、これで10ラントは安い、と思う
今回のマーテンへの旅については、宿代は俺は自分の分を支払うと言ったが、
「今は大して金持ってないんだから俺が払ってやる、
またそのうち酒でも奢ってくれよ」
という事で持ってくれる事となった
俺とテオックは保存食を部屋に置き、
それから町へ繰り出すこととなった