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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第1章 異世界と魔族の村
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第0-2話 能力

見慣れない場所だった


周囲は紫の花…

ラベンダー畑だろうか


テレビで見て以来、一度は訪れてみたいと思っていた場所だ



そして目の前には見慣れない女性

メガネをかけていて、スーツを着ている

スラットしたシルエットでキャリアウーマンの様な印象だ



ただ、後ろで纏められているであろう

その髪の色が燃える様な赤い色をしている事が酷く現実離れしている



女性が口を開く

「朝井 陽平さんですね、お待ちしていました」

どうして俺の名前を知っているのか、驚く暇も与えずに

「どうぞ」

と言い、左手を差し出す


その方向を見ると、いつの間にか椅子が出現していた


女性に促されるまま椅子に腰掛ける



「朝井 陽平さん」

女性が再び俺の名前を呼ぶ


「あなたは、選ばれました!」

いきなり叫ぶ女


「えっ!?な、何がですか!?」

何もかもが唐突過ぎて、ここが何かを聞く前にこんな返事をしてしまった



「あなたは転んだ拍子に運悪く頭を打ってしまい、そのまま死んでしまいましたが、

とてつもない才能がありました、これは凄い事です!」

さきほどの静かな装いとは異なり、非常にテンション高く話しかけてくる女


非現実すぎる状況に思考が追いつかない


「そうですね、あなたの居た国で言えば、宝くじ1等よりもレアな事ですね!」

と凄い事だけは分かる例えをしてくれる


「と言う事で、これから貴方にはこれまで住んでいた世界とは違う、いわゆる異世界に行ってもらいます」


「え、いや、いきなりそんな事言われましても…」

抗議の声をあげてみるが


「ですけど、決まってしまった事なのでもうどうしようもないんです。

大丈夫です、一度失った命、もう一度やりなおしましょう!」

と力強く説得されてしまった



……暫く考え込んでみたが、自分は確かに転んで頭を打った事までは覚えている

多分本当に死んでしまったのだ、頬をつねってみたけど普通に痛かった


「それで、俺はどうしたらいいんですかね…?」

暫く待ってくれていた女性に声を掛ける


「!

そうですね、取り敢えずはそのままではちょっと辛いと思うので

とうしゃ…ではなく、これらの選ばれし力の中からお好きなものを選んでいただき、

それを持って別世界に行く事になりますね」


そう言って、女性はどこからともなく本を取り出し、

いつの間にか出現していた目の前のテーブルに広げて見せてくれた


本を覗き込んで見る

そこには能力の名前らしきものが日本語で羅列されていた


おにぎりがとても上手に握れる能力

なんか良い感じに気分が良くなる能力

明日の天気をたまに当てられる能力


……なんだこれ

本のページを適当にめくりながら流し読みしてみる


口笛で人が感動する能力

タンスの角に小指をぶつけなくなる能力


……全然まともな物がねえ!


「あの、これなんかいらないものばかりじゃないっすかね?

なんかこう、最強の力を手に入れるとか、

伝説の勇者になるとか、

億万長者になれるみたいな能力ってないんですか?」

と尋ねる



「あー、そうですねぇ…

そういう能力もあったんですけど、やっぱり人気のある能力ってすぐに取られちゃうので…

ほら、選ばれる方もいろんな世界からなので…」


能力なのに品切れって…


暫く本を眺めてみるが、まともな能力はやっぱり見当たらない


「じゃあ…」

正直これくらいだった何の能力でも大差ないなと

適当な文字に指をさす



「これですね

えーと、棍棒を出せる能力、ですか」


「分かりました、ではこの能力を持って行って下さいね、では」

と言いかけてから彼女は何かを思い出したようで

「そうでした、一応年齢変更できますけど、貴方は若いのでそのままでいいですよね?」


「え?ま、まあ…」


「では、以上になります、行ってらっしゃいませ~」

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