表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
198/290

第30-12話 アンデッド退治と神官 その4

アリエラさんが荷物の袋を開け、

中をごそごそと探る


そして一つの水の入ったビンを取りだした


「それは?」

俺の言葉にアリエラさんはこちらを向き


「これはレダ教の総本山で清められた聖水です」

そう言ってこちらにビンを見せてくれる


「聖水…」

俺達は聖水の入ったビンを見る


見た目ではただの水にしか見えないが…


彼女はそのビンを持ってもやに近付き、

その中身を振りかけた


そして、両手を合わせ目を閉じて祈る


すると


「おぉ…」

俺達は思わず声をあげた


黒いもやの場所に光の粒子が現れ、

それが互いに溶け合うようにして消えていった



「もやが消えちまっただ…」

グラッシュが呆然とした状態で呟く


「これで終わりました。

周囲を覆う負の魔力も次第に弱くなっていく事だと思います」

アリエラさんが俺達に振り向き話す


「うん、もう変な感じしなくなってきた」

ルシュが同意する


「こんなことが本当にできちまうだなんて…」

グラッシュが呟く


「じゃあこれで完了で良いのかな、村に戻ろう」

俺の言葉に皆頷いた


------------------


「おお、痛みが無くなってきただ」

コボルトの男が体を動かし、嬉しそうに声をあげる


ウアルの村へと戻った後、アリエラさんの希望で

グラッシュが話をした先日怪我をしたと言う自警団員の家に訪れていた


彼女が治癒の魔法を使用すると、先ほどまで動くのも辛そうだった彼は

すっかり元気になり、嬉しそうに飛び跳ねている


しかし、今はアンデッド退治の直後、俺もルシュもそれなりに疲労していたので

ここまでバイタリティのあるアリエラさんには正直驚かされた


喜ぶコボルトの男に礼を言われた後、俺達は村長の家に向かった


------------------


「なんと、では本当にこれでアンデッドは出なくなると…!?」

村長は驚きの表情でアリエラさんに問いかけた


「恐らくは…後何回か様子を見に行って、

他の場所にも瘴気が存在しないか確認して、何もなければそれで大丈夫だと思われます」

アリエラさんの言葉に村長の顔が綻ぶ


「なんと、どうお礼を言えば良いか…。

ありがとうございます」


「いえいえ、当然の事をしたまでですから…」

頭を下げる村長にアリエラさんはあたふたと手を振って応える


「間違いないだ」

突然グラッシュが呟く


「何が?」

唐突なグラッシュの言葉に俺が問いかける


「アリエラさんは、いやアリエラ様は聖女様だべ!」

大きな声を出すグラッシュに俺もルシュもアリエラさんも面食らう


「アンデッドを退治するだけじゃなく怪我も直しちまう、これは聖女様で間違いない!

それにとてもお優しい方だ!」

グラッシュの力説に、村長は


「ふむ、確かにそれほどの事が出来る上に、

ここまでの事をしてくださる御方じゃ、これを聖女様と言わずして何と言うか」

とまさかの肯定の言葉が入り


「え、えぇ…?」

アリエラさんは困惑した表情を浮かべていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ