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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第29-4話 いざ長期遠征 その4

シャグ2体を撃破した俺達


「大丈夫か?」

俺は彼らに声を掛ける


「ああ、何とか…」

コボルトの男が答える


「ありがとう、シャグは僕たちには荷が重い相手だった」

エルフの男が続ける


ダークエルフの女は粘液を取り払うが、少し様子を気にしている

「ベタベタする…

ありがとう、あなた達、強いのね」

ダークエルフの女が礼を言う


俺達…か


強いのは俺じゃなくてルシュだ

「いや…俺は…」

咄嗟に否定の言葉が出かかる


「うん、私達、強いから」

俺の言葉を遮るようにルシュが口を開いた


「ルシュ…」

ルシュは俺の出しかけた言葉を否定するかのようだった



-----------------


シャグの出現によって怯えてしまった馬を運転手が宥めている間、

俺達は倒したシャグの解体を行った


俺達と、エルフの男をリーダーとするパーティの合計5人で行った


解体がてら自己紹介を行った

エルフの男はアイラム、とてつもない美形だ

エルフもダークエルフも美形が本当に多い

正直羨ましい


シャグを押さえていたコボルトの男はサード

かなり大柄で、まさに戦士と言った装備をしている


ダークエルフの女はフィラフィと名乗った

黒い肌に白い髪が映える美しい女性だ

戦いの様子からしても精霊魔法の使い手の様だ


「この緑のシャグも、倒したのは君達だ。

素材は遠慮なく持って行って欲しい」

アイラムの言葉にサード、フィラフィも賛同する


そう言いながらも解体を手伝って貰った手前

じゃあ遠慮なく…とは言い辛いなと考えていた


何より、ルシュが綺麗に真っ二つに叩き斬った為

素材として使える部分が多い

重さはまあ、ルシュが持てば問題ないんだが…


「2体分じゃ流石にかさばるな…」

俺の呟きに隣のルシュも頷く


「山分けにしよう?」

ルシュが提案する


「俺もそれが良いと思ってたんだ」

功労者がルシュの手前、どうにも口に出し辛かったのでルシュからの提案に俺は賛同した


俺とルシュは山分けの旨をアイラムたちに伝える

「茶色い方のシャグの素材は俺達が、もう一体はアンタ達に持って行って欲しい」

俺は言った


「本当に、いいのかい?」

アイラムが少し驚きの表情を見せる

サードとフィラフィも手を止めて少し驚いた様子だ


「流石に多すぎて俺達だけじゃあね」

俺の言葉に彼らは喜ぶ


臨時収入として綺麗な形でのシャグの素材が手に入るのは中々大きいからだ


「ありがとう、茶色い方が魔法を使うって知らなくて押し付けちゃったりもしたのに…

茶色い方相手でも私達じゃ勝てないんだけど…」

フィラフィが申し訳なさそうに話す


あの茶色いシャグの放ってきた突風は魔法だった様だ

俺には分からなかったが、ルシュとアイラム、フィラフィには魔力を感じたから間違いなさそうだ

魔法を使う魔獣、いるとは聞いていたがこんな所で出会うとは


「そこは結果オーライだったからいいんだ」

素直に本心を口にした

魔法を使うシャグですら、倒すことが可能なのは大きな自信になった


「ふふ、ありがとう」

俺の言葉にフィラフィの顔が綻ぶ


…そうして解体作業を行っていると


俺達の元に一人のリザードマンが近づいてきた

もう一両の馬車に乗っていた乗客の様だ


「君達、このシャグの身はどうするつもりかな?」


「み…?」

俺達はキョトンとした顔をする


「うん、中身の事だよ、もしよかったら分けて欲しいと思って。

私の住んでる地域だとシャグの身も食べるんだけど、中々手に入らなくてね」


「シャグの身…」

俺達は顔を見合わせる


シャグの中身を欲しいと思った事はない

それは俺達だけではなく、アイラム達も同じようだ


「…どうぞ、なんなら全部」


「いいのかい本当に!?ありがとう!」

そう言ってリザードマンは喜んで革袋にシャグの「身」を詰め始めた


そうして素材の解体と分配、シャグの身詰めが終わった後


馬車が動ける様になったので、俺達は馬車に乗り込み、馬車はまた道を進み始めた

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