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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第29-3話 いざ長期遠征 その3

ルシュの剣によって両断され、力なく横たわる茶色いシャグ


「凄い…」

あのシャグを殻ごと叩き斬ったルシュの力

そして剣の切れ味に驚く


あれだけ苦戦してたシャグがもう敵では無くなっている


俺達は茶色のシャグが完全に動かなくなったことを確認し、

もう一体のシャグに目をやる



こちらではまだ戦いが続いていた

コボルトの男が盾でシャグを抑え、後ろからエルフの男とダークエルフの女が援護している様だ


俺とルシュは一先ず彼らの様子を見る

手を出すかどうかは状況次第だ


…複数の冒険者のグループがそれぞれ別の魔獣と戦っている時に発生する問題として

「素材の取り分」と言うものがある


既に戦っていた魔獣を横入りで倒してしまうと

どちらのグループがその素材の権利を主張するか、と言う事で揉めるケースが多い

俺が元居た世界でもオンラインゲームで似たような問題があったなと思う


とまあそんな事で、取り決めがされていない複数のパーティーが魔獣と戦う際

対処可能な場合は手を出さないのが冒険者間での暗黙のルールになっている

これは俺達が活動しているマーテンに限った事ではなく、それ以外の街、国でも同じらしい



弓を構えたエルフの男が何かを呟く

すると持っている矢じりに風が纏われる

そして放った矢は目にも止まらぬ速度でシャグに飛んで行った


しかし、その矢はシャグの甲殻に阻まれ、多少の傷をつけただけで弾かれてしまった


「くっ…!」

エルフの男から声が漏れる


「これならっ!

炎の精霊よ!」

直後、ダークエルフの女が杖を振りかざし、振り下ろした


杖先からほとばしる火球がシャグにまっすぐに向かっていく


火球はシャグの側面に炸裂、火の粉をまき散らす

しかし、シャグの甲殻の一部を黒く焦がしただけで決め手にはなっていない


「もう一回…!」

再び杖を構え、神経を集中させようとするダークエルフ


「うわっ!」

唐突にシャグが暴れ、コボルトが突き飛ばされる


火球の一撃で怒ったシャグが、ダークエルフへと狙いを定める

そして、口から粘液を吐いた


咄嗟に反応する事が出来ず、ダークエルフは粘液で絡めとられ地面に倒れる

「う、動けない…」

焦って動こうとするが、その場にもがいた状態で身動きが取れていない

「フィラフィ!」

エルフの男がダークエルフの女の名前を叫び、駆け寄った


コボルトを突き飛ばし自由になったシャグはそのまままっすぐに歩き出した


「いけない!」

シャグの側面からある程度の距離まで近づいていた俺は

手に持った鋼のメイスをシャグに投げた



メイスはシャグに見事に命中した


…ずっとこの棍棒投げばかりしてきていたせいか、投擲が上手くなってきている

素早かったり小さな相手じゃ無ければ早々外さなくなってきた


シャグの動きが一瞬止まり、こちらを見る


…既にルシュは剣を手に駆けだしていた

そして、一瞬でシャグの側面まで距離を詰めた

「やあっ!」

ルシュが剣を振り下ろす


その剣は甲殻の表面を叩き割り、そのまま真っ二つに両断した



「す…すげえ…」

呆気にとられたコボルトの男が呟いた

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