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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第28話 ちょっと変化した日々

「ルシュ、いまだ!」


俺の言葉に呼応してルシュが剣を持って飛び掛かる


そして人の大きさ程もあるトカゲの尻尾を斬りつけた



トカゲの尻尾はあっけなく切断され、トカゲは凄まじい速度で逃げて行った


「これで3本目だね」

ルシュがトカゲの尻尾を持ってこちらに戻ってきた


「ああ、お疲れ様、ルシュ」


……


俺とルシュはマーテンの東の街道を南に行った先にある湿地帯に来ていた


ここにいる魔獣ツーイの尻尾をとってくる依頼を受けていた


ツーイは人程の大きさがある巨大なトカゲ型の魔獣で、

不用意に近づかない限りは襲ってこない比較的温厚な魔獣なのだが

襲ってきた時の危険度はガワの比ではなく、それなりの経験を得た冒険者がそれなりの装備をしていないと

一苦労する相手だ


追い詰めると尻尾を切って逃げるそうなのだが、

今はルシュの持つグライエムの牙の剣があるため、尻尾を直接切断すればもみくちゃになる事は無い

この剣があれば倒す事も難しくはないが、魔獣の死骸は別の魔獣を呼び寄せる事もあるため、

このやり方の方が安全だ


ルシュとしても、剣の扱いの練習の一環として捉えている様だ


それでも実際にツーイの注意を引くためにある程度の格闘は必要で、

チェインメイルを着こんでなければ怪我は避けられなかっただろう



「これで依頼達成だね、帰ろう」

ルシュはまだびちびちと動くツーイの尻尾を持ったまま話しかけてきた


「そうだな、でも帰り道の途中に小川があったから、そこでちょっと洗っていこうか」


湿地帯で動き回ったせいでびしょぬれになり、泥で汚れた服で俺は話しかけた


-----------


「ん~すっきりした」

ルシュがチュニックを絞りながらこちらに歩いてきた


服ごと水に浸かって泥を落とした俺達は、装備を干し

その辺りの手ごろな岩に腰掛けた

天気が良く、比較的すぐに乾くだろう


街道そばで、草原が広がる見晴らしの良い場所

ここなら魔獣に奇襲される心配はない


ルシュは剣を布で拭う

グライエムの牙を削りだして作られた白い剣は鈍い輝きを放つ


まさにルシュ専用の武器となった剣を、ルシュは大変気に入ってる様だ


この剣は彼女が全力で振っても壊れない、と言った見立ては当たっていた

俺の呼び出した鋼製のメイスすら曲がる程の力に耐えられると言う事は、

ルシュの力を存分に引き出せると言う事だ


飾り気の少ない刀身、柄の部分に僅かな装飾と、握りやすい様に鉄で補強されているグリップ

素人目でも鍛冶屋の職人の力の入れ様が伝わって来る

改めて良い武器だと思った


グライエムとの戦いから俺達が出来る事が広がったと感じる

これは確かな手ごたえだろう


十分に身体と装備を乾かしてから、俺とルシュはマーテンへと戻った

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