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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第26-6話 やれる事があるはずだ

「ぐあっ!」


ムーグが吹き飛び、木に叩き付けられる


「ムーグっ!」

レゾルが声を掛ける



「くっそ…

悪い兄貴、ここまでかもしれねえ…」

ムーブは座り込んだ状態で立ち上がれない様だ


レゾルもムーグも既に満身創痍だ

防具もボロボロになっている



「ぐ…これ以上は無理か…」

レゾルが呟く

------------------------


「ごめんね、こんな危険な事に巻き込んで」

チティルが俺達に向かって謝罪する


「借りを受けてるんだ、返さないと」

俺は精いっぱいかっこつけたセリフを言う


「困ってるんだもの、助けたい」

ルシュが俺に続いて口を開く


「…ありがとう!」


視界の向こうに見えていた白色の何かが次第に大きくなる


そしてその脇にはレゾル、ムーグの姿があった


「チティル!?」

ムーグが驚きの声をあげる


俺達に先行してチティルがレゾル、ムーグの元へたどり着く

正面には巨大な骨の怪物、グライエム


左手側には斧を構えてグライエムと対峙するレゾル、右手側には木を背に座り込んだ状態のムーグ


「何故戻ってきた!?」

レゾルが声を荒げる


「ごめん、アタシは!」


そう言ってムーグに向かって振り下ろされたグライエムの前脚に向かって全力で風の刃をぶつける

僅かに逸らされた前脚はムーグを捉えることなく空振る


「二人を見捨てられないよ!」

チティルが叫びに近い声をあげる


そして、俺とルシュが追いつき、前に出る


「ルーキー!」

「どうしておまえらが…!」

レゾルとムーグが呆気にとられる



俺は正面にいるグライエムを見据える


でかい…

ラズボードよりも遥かに



レゾル達が歯が立たない相手に、俺一人が有効打を与える事は出来ない

それは分かっている


「それでも…」

やれる事があるはずだ


俺とルシュは立ち止まる事無く走り続ける


俺がルシュより早く前に出る

「化け物め、こっちだ!」

俺は鋼のメイスをグライエムに投げつける


グライエムに当たったメイスは弾かれ落ちる

全くダメージを与えられていない


グライエムの注意がこちらに向く


…それでいい!


俺は向かって左手側に弧を描くように走る


グライエムの右脚がこちらを捕らえようと振り上げられる

俺はそのまままっすぐ前に突っ込む


「うおおおぉぉぉぉ!」

振り下ろされる前脚、それよりも早く

俺は右腕に呼びだした棍棒で思いきり地面を叩き付ける



「なっ!」

レゾルとムーグが驚きの声をあげる


俺は棍棒で地面を殴りつけた反動で左に跳ぶ


俺が先ほどまで居た場所をグライエムの右脚が踏みつぶす


俺は勢いよく左に跳び、そのまま地面を転がる


グライエムの注意は完全にこちらに向いた、反対側は隙だらけになった

「ルシュ!任せた!」

俺の言葉にルシュが頷く


ルシュは俺とは逆に向かって右手側に走る


そして、座り込んでいるムーグの前に立ち

「借りるね」

そう言ってムーグのハンマーを持った


「お、おい…」

呆気にとられるムーグを置いてハンマーを持ったルシュはグライエムへと疾走する


グライエムの注意はルシュには向いていない、俺に注意が向いている

僅かな間だが、決定的なチャンスだ


ルシュはグライエムの顎の下に立ち、ハンマーを振り被った


「いけええええええ!」


俺の叫びに合わせてルシュがハンマーを振る


彼女の全力のアッパースイングがグライエムの顎を綺麗に捉えた

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