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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第26-4話 危機 その2

チティルの眼前にある樹木を切り裂く巨大な影


回避が一瞬遅れる


「ッ!」


それがチティルを捉える事は無かった


「大丈夫か?」


チティルの前に立つ後姿


「レゾル…!」


レゾルの持つ斧がそれを受け流していた


「大きな…爪…!?」

レゾルの受け流したそれを見てチティルがつぶやく


すかさずムーグがレゾルの右手側に立つ

「なんだ、コイツは…!」


レゾルたちの前に出てきたのは、彼らの何倍もの大きさを持つ巨大な骨の獣だった


「こんなスケルトン、見た事ないよ…!」

チティルが声を震わせる


その姿は体長10メートルはあるかと言う巨体、

これまで見てきたどんなスケルトンよりも大きい


樹木を切り裂いた巨大は前脚には指が四本

頭部は巨大で人一人の大きさはあろうかと言う巨大な牙が二本


「グライエム…」

レゾルが骨の怪物を睨みつけ呟く


グライエムと呼ばれた骨の怪物が咆哮をあげる


甲高い音と衝撃波の様な圧を受ける


レゾルはその場に踏ん張り耐えるが、

ムーグとチティルは後ろにたじろぐ


「退くぞ」

レゾルは短く、強く二人に告げる


直後、グライエムが右前脚を横に薙ぐ

レゾルを狙ったその攻撃を、素早く後ろに跳んでかわす


「コイツは俺達でも無理だって言うのか!?」

レゾルにムーグが尋ねる


「以前に一度だけ戦った事がある、その時は十数人だったがかなりの被害が出た。

コイツは、その時のグライエムよりも大きい」


レゾルはグライエムの動きを注視しながら叫んだ


「マーテンへ戻り、討伐隊を編成しないとコイツは倒せない!

退くぞ!」


レゾルの言葉を皮きりに、三人は後ろに走り出した



三人の動きに一瞬反応が遅れたが、グライエムもレゾル達に向かって走り出した


「クソっ、早い!」

ムーグが悪態を吐く


「急いで!」

先を往くチティルが叫ぶ


飛んでいるチティルとは違い、レゾルとムーグは草木に足を取られて思うように進めない



程なくしてレゾルが立ち止まり、後ろを向く


「お前達はマーテンへ急げ、俺が足止めをする」


レゾルは背後へと迫ってきたグライエムに向かって斧を構え

両手斧を振るう


グライエムの前脚を捉えたその斧の一撃は有効打にならず弾かれる


「でも!」

チティルが抗議の声を挙げる


「この巨体から逃げ切る事は出来ん、これが一番確実だ」

グライエムの攻撃を受け止め、レゾルが叫ぶ


一刻の猶予も無い

チティルの表情には焦りが、ムーグは歯噛みしている


ムーグが前に踏み出し、レゾルが受け止めているグライエムの前脚をハンマーで思いきり殴りつける

重たい音と共にグライエムの前脚が逸らされ地面に突き刺さるが、ダメージは与えられていないようだ


「兄貴、俺を見くびってもらっちゃ困るぜ。

アンタは俺の目標なんだ、アンタがくたばっちゃ俺が冒険者を続ける意味が無くなる」

ムーグはグライエムを見据えたまま口を開く


「ムーグ…」


「それに生き残るなら二人いた方が良い、チティルは脚が速い、

俺がいてもただの足手まといだ」


「…分かった、チティル、マーテンへ行って助けを呼んできてくれ。

それまで持ちこたえて見せよう」


レゾルの言葉にチティルは覚悟を決めて頷く


「レゾル、ムーグ、分かった…!

待ってて、必ず助けを連れてくるから!」


チティルは踵を返し、その場から離れた

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