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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第25-6話 魔人の女性

道中がてら、彼女は自己紹介を行ってくれた

「私はアネイル。

集落の人たちにお世話になってる居候みたいなものかな…?

と言ってももう10年くらいになるけど」


そう言ってから数歩歩き、言葉を続ける


「お世話になってる代わりに、集落の仕事を手伝ったり、

魔獣退治をしたりしてるの」


なんだかアステノに居た時の俺やルシュに似た境遇だなと言う気がした


「あなた達の名前は?

どこから来たのかしら

人族って事はやっぱりレインウィリスから?」


アネイルが質問してくる


「俺はヨウヘイ、この子はルシュ。

マーテンから来ました。

元々はアステノって村に居て…」


これまでの経緯を軽く説明する


「なるほど、色んな国や場所を見て回りたい、かあ。

目標があるって良いね」


こうして会話をしながら付いていく、と言うのも俺がテオックに連れられて

初めてアステノに行った時になんだか似ているなと感じた


そうこうして暫く歩き…


山のふもと、正面には一軒の家、少し遠くにポツポツと民家が見える場所にたどり着いた

周囲はすっかり暗くなり、夜の様相を呈してきていた


「到着したよ、ここが私の家。

さあ入って」


「お邪魔しまーす」

「…おじゃまします」

アネイルに促され、俺達は彼女の家に入った



「ちょっと待っててね」

そう言ってアネイルがランプに火を点ける


数か所明かりを点けると、室内全体が見渡せるようになった


入り口から左手にキッチン

その手前にテーブルと椅子がひとつ


右手側は就寝用のスペースとなっている様で、

ベッドが一つあった


俺達が室内を見渡していると、アネイルが荷物と装備を床に置き、

壁際に置かれた丸椅子を二つテーブルの傍に持ってくる


「さあどうぞ、夕食にしましょう」


-------------------------


「ありがとうございます、俺達の分まで」


「ありがとう、アネイル」


俺達の前にはこんがり焼けた肉と、野菜のスープが置かれる


「いいのいいの、干し肉にお酒までいただいちゃったからね。

それじゃあ、どうぞ召し上がれ」

アネイルは上機嫌に話す


クィノーレンの町長から受け取った「支度金」はこういう時のためにあるんだろう

出発前に購入しておいて良かった


「美味しい」

ルシュは肉にかぶりついて満足気だ


新鮮な肉は久々だ


「冒険者やってると、どうしても保存食が多いんですよ」

俺はアネイルに話をすると、彼女はなるほど、と相槌を打った


「この辺りで生活していると狩りもするからね。

魔獣も食べる事あるけれど」


こうして暫く食料事情についての話で盛り上がった


……


「今日はこの家に泊まっていくといいよ。

床になっちゃうのが申し訳ないけど…」


視線をキッチンの反対側にある寝室のスペースに映す

さっきは気付かなかったが、ベッドの傍の壁に剣がかけられている

青白く、装飾も施されている立派な剣だ


視線を正面に戻す

アネイルの提案はとても有り難い

一点だけ気になる点があるが…


「その、ルシュはともかく、俺も泊まっても大丈夫ですか?」

魔族とは言え、女性の一人暮らしの家に泊めてもらうのは少し抵抗がある


ルシュに対しては…既にずっと二人で行動していたので特にそういう感覚は無くなっていた


「えっ?

全然大丈夫よ。

あなた達悪い人に見えないし、大丈夫」


あっさりと承諾される


「ありがとうございます、床でも野営とは比べ物にならないので助かります」

「ありがとう」

俺達はアネイルに礼を言う


「どういたしまして、明日のルッソ山道に行く時、

私も付いて行っていいかしら?」


とても有り難い提案だ

俺には断る理由が無い


「いいの?」

ルシュが尋ねる


ルシュも俺と同じ心持ちの様だ


「二人のお邪魔にならなければ」

妙な気を遣ってくれている気がする


「助かります、明日宜しくお願いします」

俺の言葉にアネイルが微笑む


「良かった、それじゃ、今日はもう休みましょうか」

アネイルはそう言って食器を片付け始める


俺達は就寝の準備を始めた

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