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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第1章 異世界と魔族の村
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第4-2話 買い物

「今回の買取額は、180ラントだねー」

「ッス」


「お、流石に結構多いな」

テオックは満足そうだった


「珍しい薬草多かったからねー

量も沢山あったから、サービスしといたよ」

ピウリがテオックに銀貨18枚数えながら渡す


「ほら、これがお前の分だ」

テオックがその内、銀貨9枚を俺に差し出した


「いいのか?」


「ま、俺の手伝いをしてくれたからな」

テオックの手伝いをしていただけだから、半分は貰いすぎだと感じたが

テオックなりに労ってくれているのかもしれない


俺はその好意を素直に受け取っておいた

「ありがとう」

おう、と言いながらテオックは俺に銀貨を手渡した


「それじゃあ俺はちょっとアルデリンとラピドの所に行って呑んでるから、

お前も気が向いたら来いよ」

と言ってテオックは村の南へ歩いていった


俺はどうするか、折角商人が来てるんだから、商品を見せてもらうかな…

「ねえ、ヨウヘイは変わった服着てるねー」

とピウリが言ってきた


今の俺の服装はこの世界に来た時と同じトレーナー、チノパン、スニーカー

元の世界では部屋でも外に出るにも使えるハイブリッドな服装だ


こちらの世界に来てからは今日のような村の中にいる時だけこの服装で、

村から出て森に入る時は村人から貰ったお古の麻の服を着ている


「ちょっと見せてもらっていいかな?」

ピウリは俺の服が気になって仕方が無いようだった


「いいぞ」


「やったー」

俺に近づき、トレーナーやチノパン、スニーカーを触り感触を確かめていた


子供にたかられる大人みたいな構図になっている気がした

そもそもこういうケースはこれまでの人生では無かったので妙な緊張がある


少しの間固まっていると、ピウリが俺の服から手を離した


「いやー凄いね、その服!」

ピウリが目を輝かせながら言う


「まずその上着、凄く柔らかい

しかもこの手触りは着込むととても暖かいよね

でも強度もそれなりにあるよね

そしてそのズボン、とてつもなく良質の綿だね

縫い目もすごく細かい、これほどの裁縫ができる職人は国に何人いるか分からないよ

通気性も良さそうだし、熱くても寒くても快適に過ごせそうだね


そしてその靴、不思議な形だけどとても柔らかく動きやすい素材だね

そしてその底が…」


「店長それくらいにしましょうッス」

フリドーが止めに入る


「えっ、ああごめんねー

興奮してついねー」

ピウリが楽しそうに喋る


「そんなに良い服を持ってるなら、どこかの貴族様かも知れないねー

売ってくれるなら1000ラントは出そうかと思ったけどねー」


多分高額だと思うが、この服はこの世界で着た服よりも着心地が良いから

あまり手放したくは無いと思った


「俺もこれは気に入ってるんだ、ごめんな」


いいんだよーとピウリが答える


ただこの服装は村の外に出る時には着ていけない


今は森に入る時は村人から貰った服を着ているが、

その服は耐久性には問題があるし、何よりも貰い物だけに頼り切る訳にもいかない

自分用の服をきちんと入手する必要がある


「ピウリ、何か頑丈で着易い服って扱ってないのか?」


「服ねー、ちょっと待ってねー」

ピウリとフリドーが馬の傍に下ろしている荷物袋を開ける


「アステノの人はあんまり服買わないから手持ち少ないんだよ、ごめんねー」

幾つか服や鎧を出して並べてくれた


一通り目を通してみる

皮を張り合わせた鎧、綿の上質そうな服、明らかに着ることができないくらい大きな服など

そして一番最後に見た服は

かなりしっかりした作りになっているようだった

胴体部分が薄い青色になっていて、袖が灰色になっている

下半身部分も頑丈な作りになっていて、腰周りにあるベルトで絞めて固定する形状のようだ


「お、その服が気になった?」

俺の様子に気付いたピウリが話しかけてきた


「麻生地の服なんだけど、冒険者や旅人の使用に耐えられるようにかなり頑丈に作ってあるよ

魔獣との戦いにだって耐えうる耐久性!

一着だけ仕入れられたイチオシなんだよねー」

ピウリが饒舌に話す


確かに俺がこの世界で見た服で一番頑丈に見える

クステリの森に入るときもこの服装ならあまり怪我をしなくなるかも知れない


手で生地の感触を確かめてみる

トレーナーには及ばないが着心地は悪く無さそうだ


「これ、いくらなんだ?」

俺はこの服を買うつもりでピウリに尋ねる


「これはねー

本当は200ラントなんだけど、特別に150ラントにまけるよ!

アステノの人達にはお世話になってるからねー」





……うん、足りないな!

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