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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第23-13話 ルシュ、頑張った!

チティルを見送った後

帰路につく住民や冒険者達の中を私は進み、ピウリの店へとたどり着いた



「おーおかえりー」

商品棚を陳列していたピウリが私に気付いて声を掛けてくる


「おかえりなさいッス」

ピウリの言葉で私に気付いたフリドーも声を掛けてくる


「材料、集めてきた」

私は二人に報告する



ピウリとフリドーはカウンターに移動し、

その向かいに私は立つ


カウンターの上にリチーの粉とサキスの種を置く


「確かに揃ってるね、じゃあ使わせてもらっていいかな?」


ピウリの言葉に私は頷く


「よし。

フリドー君、お願いねー」


「はいッス」

ピウリの言葉にフリドーは返答し、リチーの粉とサキスの種を持って

奥の部屋に入っていった



「そこにかけてちょっと待っててねー」

ピウリの言葉に、私はカウンターの隣に置かれている椅子に座った



-------------------


「なるほどねー…

教えたお店には置いてなかったんだ、ごめんね」


「ううん、色々あったけど集められたし…

ありがとう、ピウリ」


フリドーが調合している間、私達は雑談する


「ところで、薬の代金だけど…」

ピウリが切り出す


「余った材料を引き取っていいならある程度まけてあげられるんだけど…」

一呼吸置き


「持ち合わせがないならツケにしても…」

ピウリが言い澱む


私はもちろん無料で薬をもらうつもりは無かった

ピウリはこれが仕事なんだから


「これを引き取ったら、薬代まかなえるかな?」


私は持っていた麻袋に包んでいたロドンの殻をピウリに見せる


「これは…?」


「ツィエンの丘で戦ったロドンの殻」


私の言葉にピウリが一瞬固まる


「えぇぇ!?ロドンと戦ってきたの!?」


「追い返したんだけど、爪と殻、落としてった」

ピウリは私の傍に来てロドンの殻を観察する


「んー、なるほど…

うちは魔獣の素材専門の取り扱いではないけど、引き取れるよー

これなら薬代に足りるねー」


「良かった」


こうして私とピウリの商談は成立した


-------------------


「ただいま」


帰宅し、ドアを開くと

ヨウヘイはベッドから上半身を起こした


「おかえり、ルシュ」

容態はそこまで悪くは無さそうだ

じっと休んでいてくれてた事にホッとする


「お薬持ってきたから、飲んで」


フリドーが調合してくれたテール熱の薬を渡し、

水筒も渡す


「ありがとう」

そう言ってヨウヘイは薬を飲んでくれた


「それにしても、色んな場所を駆け回ったみたいだね。

面目ない」

ヨウヘイが申し訳無さそうに話す


「ううん、ちょっと大変だったけど楽しかったよ」

私の言葉にヨウヘイはへぇ、と相槌を打つ


「どんな事があったんだ?」


「夕食作るから、食べた後で話すね」


忙しなかった私の夜は、穏やかに過ぎていった


-------------------


数日後…


すっかり風邪(テール熱)が快復した俺は、ルシュと共にマーテンの街中を歩いていた


「お、ルシュちゃんとヨウヘイクンじゃない」

上空から声を掛けられ、そちらを見上げると一人のハーピーの姿があった


「チティル!」

ルシュが声をあげる


「すっかり元気になったみたいだねぇ」

チティルが地上に降り、俺達に話しかけてくる


「おかげ様で。

先日はルシュが世話になったみたいで、ありがとう」

俺はチティルに礼を述べる


「ふふ、困った時はお互い様だからね」

チティルが笑顔で答える


そしてチティルが俺の近くに来て、顔を近づけてくる

「ルシュちゃん本当に良い子だと思う、彼女と仲良くね」


そう俺に耳打ちする


「もちろん」


俺の言葉にチティルはニコっと笑い、満足そうに頷いた

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