第23-4話 ルシュ、頑張る!!!
「チティル…」
「元気無さそうだね、大丈夫?」
チティルがぴょんぴょん跳ねながら近付いてきた
翼を伸ばして顔の側面に当ててくる
「ちょっと疲れてるみたいだし、何があったかお姉さんに話してみよっか。
その辺りのお店で」
……
「どうぞ~」
オークの店員が二つカップを持ってきてテーブルの上に置く
チティルのカップにはストローが入れられる
「なるほどねー」
チティルが納得した様子で頷く
落ち着いているチティルと対照的に焦りが強くなってくる
「うん、だから私、急がないと…」
そう切りだす、急いで次の薬屋に行かないと
「まあまあ、少しだけゆっくりしていこ?
走り回って疲れてるでしょ、休憩もしないとダメ」
チティルの瞳は優しい
「新人クン…、ヨウヘイクンもルシュちゃんが疲れてへとへとになっても
喜ばないと思うよ」
今までのおちゃらけた感じのイメージとは異なり
優しく諭すような言い方
この感覚、メラニーを思い出す
そう言われてしまっては、納得するしかない
「さ、飲んで飲んで、アタシのおごりだから」
チティルが微笑んでストローに口を付ける
「うん」
カップに口を付ける
中に入ったフルーツティーの爽やかな甘みが口の中に広がる
疲れた体に染み渡る
「美味しい…」
爽やかな風味で落ち着きが戻ってきた
「美味しいね~アタシこのお店初めてだったんだけど、
当たりだね」
チティルが嬉しそうに返事する
……
少しだけゆっくりしたことで、疲れが取れてきたと思う
とは言っても材料の事が頭から抜けた訳ではない
「チティル、わたし、その…」
そろそろ行かないと、あまりゆっくりはできない
「ん、確かにそろそろ行かなきゃいけないね」
チティルが立ち上がる
「ちょっと待っててね」
そう言ってチティルが会計をしに行く
…会計から戻ってきたチティルが開口一番に
「残りは2店舗なんでしょ、手分けしよっか」
と言った
「…いいの?」
突然の提案に驚く
私の言葉にチティルは微笑む
「もちろん、アタシは飛べるから遠い方行ってくるね。
もう一つの店舗宜しくね、待ってくれてたらそこに向かうから」
「うん、ありがとう、チティル!」
チティルは頷き、高く浮かび上がる
疲れも取れてきた、行かなきゃ…!