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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
131/290

第23-2話 ルシュ、頑張る!

マーテンの一角にある小さな店の前


ルシュは真っ先にそこへ訪れていた


-----------------------------


扉に近付こうとすると不意に扉が開く


扉に取り付けられたベルがカランカランと鳴り、

中から一人の魔族が出てくる



薄灰色の髪で肌は黒い

身長は自分よりも少し小さなその少女

恐らくダークゴブリンだ


表情を綻ばせ、小さな布袋を手に通りを南に出ていった


閉まろうとする扉を右手で抑えて閉まらないようにし

建物の中に入る



「いらっしゃいませー、

あ、ルシュじゃん。

おはようー」

声を掛けてきたのはピウリ

緑色の肌に大きく丸い瞳が特徴的なゴブリンの少女だ


ここならヨウヘイを治す薬があるかも知れない

真っ先にそう思ったから、ここを訪れたのだ


「ピウリ、聞きたい事があるの」

わたしはカウンター前まで歩き、ピウリに話しかけた


「あ、うん、どうしたの?

そう言えばヨウヘイは一緒じゃないんだね」


ピウリは少し困惑している


「うん、ヨウヘイの事なの。

凄く熱くなってて、カゼになったって…」


少しの間ピウリが固まる

数秒間してから


「きっとヨウヘイさんが病気になったって事ッスよ」

カウンターの左で作業していたオーガの青年フリドーが声を掛けてくる


「んん、あー、そういう事かー」

ピウリが納得した様子を見せる



「熱を出してるんだねー

うーん、アタシはお医者様じゃないから細かい事はちょっと分からないけど…」

ピウリは顎に手を当てて考える素振りを見せる


「カゼ?かどうかは分からないけれど、

人族が罹りやすくて熱を出す病気と言えばテール熱かなー」


「テール熱?お薬で治せる?」

ピウリに尋ねる、ここで薬を置いてくれていればすぐにヨウヘイの病気が治せる


尋ねられたピウリは少し困った顔をする

「うーん、ごめんねー…

マーテンは魔族ばかりの街だから、人族用の病気の薬は扱ってないんだー…

薬屋にも無いだろうなあ…」


そんな、ヨウヘイの病気を治せない…?


「そんな大した病気ではないから、何日かゆっくり休んでいれば

良くなると思うけどねー」

ピウリの表情は申し訳無さそうに見える



「店長、お薬を調合するというのはどうッスか?」

フリドーが提案してくる


フリドーの言葉にピウリは左手の掌の上にグーにした右腕を乗せ

ポンと叩く

「なるほど、それは良い考えだね!

この店には材料あったっけ?」


ピウリがフリドーに尋ね終えるくらいのタイミングで既にフリドーは動き出していた

「ちょっと見てきますッス」


カウンターの右手側にある扉の中に入っていく



調合自体はアステノに居た時に村人が行っていたので知っている

これでヨウヘイの病気が良くなる…!


「行商で別の街に行った時は人族の薬を扱う事もあるんだけど、ここではねー」


「調合する材料は分かるの?」


「あっちこっちで商売してると自然にねー

と言っても本当に基本的な病気に対しての薬だけねー」


ピウリと話をしていると扉が開く


「どうだったー?」

ピウリがフリドーに尋ねる


フリドーはカウンターの上に小さな袋を二つ置く

「リリオの実と、ネンアードの葉はありましたッス。

でもサキスの種と、リチーの粉末は切らしてたッス」


フリドーの言葉にピウリはまた困った表情になる

「むむむ、この二つかあ…」


材料が足りないなら、薬はやっぱり…


「まだ諦めるにははやいよー

後の材料は他の店で探してみようー!」


その手があった!


「ありがとうピウリ、フリドー!

わたし、頑張る!」

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