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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第20-4話 マーテンでの休日 その4

ピウリの店から南下し、大通りを南に移動する


マーテンの南口になる門が見え始めた辺りで、目の前に一層大きく開けた空間が広がった

それはピウリが言っていた広場で間違いないだろう


円状に広がった広場の丁度中央を大通りが広がり、

東と西に半円ずつ分かれた状態になっている


広場は左右対称とはなっていない様で

東側は小さな池が三つほど互いにつながった状態になっていて、水場と中心とした印象を受ける

西側は整然と並んだ樹木と花壇があり、植物を中心とした空間になっている


俺達は中央通りの東側を歩いていたので、

広場も東側から見てみる


談笑するオークとコボルトや、水場で遊ぶ幼いリザードマン

屋台も出ていて焼いた木の実などのお菓子を売っている



俺は適当に手ごろな高さの段差に座る

そこまで歩いてないが、これまでの冒険者生活の疲れからかついつい腰を下ろしたくなってしまった


俺の様子を見たルシュが話しかけてくる

「少し広場を見てくる」


「うん、俺は少しここでゆっくりしているよ」


俺の言葉にルシュは頷き、水場の方へ行く


ルシュは俺が思っていた以上に好奇心旺盛だ

と言っても誰と会話する訳でも無く、一人で広場をぐるっと回っている

そう言えばこれまでやりとりしてきた相手も基本的には俺もその場に居る事が多い


人見知りする性格ではあるのかも


ボーっとそんな事を考え、ふと気が付くと

眼前にある二つの青い瞳と目が合った


「おおっ!?」

俺は立ち上がり、少し後ずさろうとしたが、

後ろは段差なので、また座りこむ形になる


こちらをのぞき込んでいた主は

青い瞳に緑色の髪をした少女だった


見た目の歳の頃はルシュよりは上、16,17辺りだろうか

少し眠そうな目と言うのだろうか、気だるそうにも見える瞳だ


俺の眼前に顔を持ってきていた少女は少し後ずさる


動きやすそうな服、それに腰まであるマント

冒険者と見て良いだろう


次に目に入ったの少女の顔だ

ショートヘアーかと思ったが後ろで括って腰辺りまで髪を伸ばしている

そして先端が尖った耳だ

白く透き通る様な肌でこの耳


間違いない、エルフだ



マーテンにエルフは居ない訳ではない、が

ダークエルフの方が多い様に思える

冒険者ギルドは魔族が多く、俺がギルドに居る時にエルフの冒険者を見た記憶はない


エルフの少女は興味深そうに俺を観察している様に見える

「な、何か用?」


突然の事に少し動揺しながらも俺は尋ねる


俺の言葉の後、少し間を置いてからエルフの少女が口を開く

「人族?」


「え、まあ、うん」

質問内容に拍子抜けして答える


俺の返答を聞いたエルフの少女はふーんと返事する


そして

「それじゃあね」

と言って広場を北に出て行った


呆気にとられながらエルフの少女の後姿を見送った後

俺の口からつい言葉が漏れる

「何だったんだ…」

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