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異世界で俺が棍棒を使って無双する話  作者: くるっくる
第2章 棍棒の冒険者
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第20-2話 マーテンでの休日 その2

朝食をとった後、俺とルシュは街へ繰り出した


俺は今日は冒険者の服ではなく、普段着となっている布の服

ルシュもトレーナーから布の服に着替えている

ルシュの来ている布の服は俺とルシュが最初に出会った時、彼女が纏っていた厚手の布の衣を

アステノの村長であるメラニーが服に仕立て上げた物だ


家を出て道なりに歩く


「ルシュはどこか行きたいところはあるか?」

横に並んで歩いているルシュに俺は尋ねる


「ん~…

市場に行きたいな」

ルシュは俺の方を向いて答える

一見無表情にも見えるが、少し楽しそうにしている気がする


一緒にいる時間がそれなりに長いからだろうか


「分かった、まずは市場からだ」


俺とルシュは道を東に進んだ


……市場は多くの住民で賑わっていた

ここは俺がテオックと初めてマーテンを訪れた時にも訪れた場所だ


往来する人(魔族)の数は多く、活気に溢れている

相変わらず人族である俺は視線を集めるが、既にここで生活している身

もう慣れたものだ


最初は落ち着きが無かったルシュもすっかり慣れた様で

視線を特に気にすることなく周囲を見渡している


買い物するために市場に来ることはこれまであったが、

ここまでゆっくりと散策を行った事は無かった


俺も周囲の露店を見渡していると

「ヨウヘイ、ここっ」

ルシュが俺の手を引き、右側にある露店に引っ張られていった



「いらっしゃーい」

のんびりした表情のオーガの店主が出迎える


この店は果物を取り扱っている

品物の中にはアステノで栽培しているクレウィもある


「美味しそう…」

ルシュが拳大の赤くて丸い実を見ている


「お嬢ちゃんエシユの実を見るのは初めてかい?

南のクィノーレンで採れる果物だよ、甘酸っぱくておいしいよ」

店主が説明してくれる

一つ1ラント、値段も手ごろだ



「ヨウヘイ、買っていい?」


「もちろんいいよ」


俺の返事にルシュは嬉しそうに頷き

エシユの実を二つ購入した



果物屋を後にする

ルシュはエシユの実の入った袋を持ってご満悦の表情だ


俺達は市場にある露店を眺めながら、散策を続ける

通りを数分程進み、ある露店の前に立った


「お、にいちゃん今日は仕事じゃないのかい?」


話しかけてきたのはリザードマンの店主

ここは俺が最初にマーテンに来た時に魚を買った魚屋だ


ここの焼き魚は美味しいので、仕事を終えた後に立ち寄る事が何度かあり

俺とルシュも顔見知りとなっている


「うん、今日は二人でゆっくり街を散歩しようと思っててね」

俺は店主に返事する


「そりゃいい事だ、たまにはゆっくり休まないと体を壊しちまうからな。

どうだい?今日も活きのいいヤツが入ってきて、今しがた焼いた所さ」

店の中には焼き魚が串に刺された状態で5匹立てられていた


俺は遠慮しようかと思ったが、ここもルシュが欲しいと言う事で、

二本購入する事になった


……街中にある広場の一角に俺とルシュは腰を下ろす

さっき買ってきたエシユの実と焼き魚を一つずつ分け合う


朝食後で俺は食べられるが心配だったが、

多少時間が経過していた事もあって、問題なく食べられそうだ


ルシュは既にお腹が空き始めていた様だ

嬉しそうに焼き魚にかぶりつく


俺達は活気に満ちた街、マーテンの中で少しだけ静かな場所で少し早い昼食をとった

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