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「こいつ、誰?」
「いや、それはなんとも……」
「あんたまさか飛ぶ時に、いっしょに引き連れて来たんじゃないでしょうね」
「そのまさかなんだが」
「なにやってんのよ、このバカ!」
「……申し訳ない」
飛燕も若いが、それでも紫苑よりは年上だと思える。
が、飛燕は紫苑に完全に押されていた。
「で、こいつ、どうすんの?」
「紫苑も知っている通り“あれ”を倒さないと結界は消えない。おまけに結界の中から外には飛べない。あれを倒すまでは、この人もここから出ることが出来ない。だからこの人は私が守る」
「当然でしょ。善良にして人畜無害な一般ピープルを巻き込んじゃったんだから。ちゃんと最後まで守りなさいよ。私は知らないわよ。この人がどうなろうと」
「わかってるさ」
「あのう」
ここにきて清武は、ようやく声を発することが出来た。
「なによ」
「ええと、いろいろと聞きたいことがあるんですが」
「そりゃそうでしょうね。いいわ。答えてあげるから、何でも聞きなさい。ただしスリーサイズは教えないわよ」
「……」
清武はあれやこれやと質問し、それには全て紫苑が答えた。
まずこの地は、鳴狐と言う地図にはない場所であること。