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が、二匹の攻撃が飛燕にとどく直前に、宙で動きを止めたかと思うと、そのまま地面にぶっ倒れた。
――えっ?
誰かいた。女だ。
その格好といえば、キャットスーツというのだろうか、皮製に見える全身タイツのようなものを着ていた。
上から下まで真っ赤で、まるでアメコミに出てくるような出で立ちだ。
ただ胸のところがこれみよがしに開いてあり、そこに深い谷間が見えた。
身体の曲線がまるわかりで、その体系は外国のプレイメイトそのものだった。
しかしその成熟しきった体の上に、中学生とも高校生とも判別のつかない幼い顔があった。
大きな目のかなりの美少女だ。
そして両手には、片刃のナイフを持っていた。
通常のナイフよりもかなり大きめで、それを右手は順手で左手は逆手で持っている。
「紫苑助かった。かたじけない」
「苦労しているみたいだから、このあたいが直々に助けに入ってやったよ。ありがたく思いなさいよ」
「ああ、わかっているさ」
二人は素早く動くと、残りの化け物をあっと言う間に片付けた。
そして一息つくこともなく、清武のほうに来た。
紫苑と呼ばれた少女が言った。