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「あちゃーーっ。こりゃまいったぜ」
三人が見ていると、鬼哭が動いた。
一番近くにいた紫苑にむかっていったのだ。
矢のような速さで距離をつめると、金棒を紫苑にむけて振り回した。
「ちっ」
紫苑は二本のナイフでそれを受けた。
紫苑は最初から下がる気満々なので、吹っ飛ばされることはなかったが、当然のことながらその身体はどんどんと後退してゆく。
そして受けるのがせいいっぱいで、反撃の余裕などまるでなかった。
魁斗と飛燕が後ろから同時に鬼哭に飛び掛かった。
が、鬼哭は振り返ることもなく、金棒を後方に向けて一振りした。
それだけで、魁斗も飛燕もゴミのように飛ばされてしまった。
そして二人を吹っ飛ばした金棒は、瞬時に紫苑への攻撃へと戻っていた。
下がる紫苑の先には清武がいた。もう目の前だ。
「きゃ」
紫苑のナイフの一本が吹っ飛ばされた。
かまわず金棒が紫苑に襲い掛かる。その時である。
パシャ
鬼哭の顔を、強い光が叩いた。
清武がおもわずカメラのフラッシュをたいたのだ。




