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皮膚が実際よりも赤黒いことをのぞけば、着ているコスプレ衣装までそっくりである。
ご丁寧に武器まで同じものを持っていた。
「あいつの能力がわかったぜ」
「そうね、コピーだわ」
「つまり目の前にいるのは、自分自身というわけか」
「そのようだぜ」
「自分と戦うことになるなんてね。考えてもみなかったわ」
「そうだな。力は同じはずだから、やっかいだぞ」
「自分と殺し合いなんて、気が進まないわ」
「そうかあ。俺はすっごく気が進むぜ」
「やっぱり馬鹿ね」
「あ?」
「あん?」
「来るぞ」
飛燕の言うとおり、コピーの三人が三人に襲い掛かってきた。
魁斗もどきは魁斗に。
紫苑もどきは紫苑に。
飛燕もどきは飛燕にむかってきた。
三人の言うとおりなら、全く同じ戦闘力を持つもの同士の戦いとなったのだ。
そしてその対決は、その通りとなった。
三組の戦いはいずれも互角。
どちらかが優勢になるということがなく、完全に対等にやりあっていた。
――いったいどうなるんだ、これ。
清武は、ただ見守るしかなかった。




