表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼哭  作者: ツヨシ
18/53

18

「いや、あれは自己犠牲とは言わんだろう」


そんなのんきな会話を交わしているうちに、三人は化け猿に取り囲まれてしまった。


――危ない!


清武がそう思った瞬間、魁斗が目の前の一匹に戦鎚を振り下ろした。


かと思うと、魁斗の肩に紫苑が乗り、魁斗を踏み台にして大きく前方へ跳んだ。


そして飛燕が同じように魁斗の肩に乗り、上に跳んだかと思うと、魁斗の前あたりに落ちてきた。


魁斗が再び戦鎚を振り下ろし、紫苑が後ろからナイフで攻撃し、飛燕が上から槍を突き刺してきた。


前後と上から、つまり三方から同時に攻撃を仕掛けたのだ。


その場にいた数匹があっと言う間に倒された。


飛燕が地面に着地すると同時に、三人が一斉に左側の敵を攻撃した。


そしてそこにいた数匹も、難なく倒した。


この時点で化け猿の陣形は、完全に崩された。


化け猿から見れば、わざわざ自分の腕を引きちぎって武器にし、うまく全員で取り囲んだと言うのに、数瞬後には全て台無しにされてしまったのだ。


三人は残りを倒しにかかった。


おそらくそう時間はかからないだろう。


一人一人が人間離れした強さを持つ上に、三人そろっての連係プレーが芸術的なまでに抜きんでている。


ただ数が多いだけの猿の敵ではなかったのだ。


――この猿も、並みの人間なら一対三人でも倒せるくらいの力はあるんだろうけど、相手が悪かったな。


清武がそんなことを考えているうちに、立っている化け猿が一匹もいなくなった。三人が清武のところにやってきて、魁斗が言った。


「いやー、なかなかいい運動が出来たぜ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ